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 10年来バイエルン・ミュンヘンに在籍し、ウリ・へーネス氏やカール=ハインツ・ルメニゲ氏らと厚い信頼関係を構築する、ヤン=クリスチャン・ドレーセンCFOがこれまで代理を務めてきたオリヴァー・カーンCEOの後任として、就任することが日曜日に正式に発表された。そのなかで同氏はクラブのもつ価値観、ドイツサッカーリーグ機構、ルメニゲ氏、ハイナー会長、自分自身、そしてトーマス・トゥヘル監督とチームについて語っている。

 多くのバイエルンファンにとってドレーセン氏といえば、長年に渡り成功に終わった年度の財務発表を総会で行うイメージをもってることだろう。たとえそれはコロナ禍にあっても変わることなく、2013年にカール・ホプフナー氏の後任として財務責任者となって以来、10年間に渡って『バイエルン号』を安全に港まで送り届ける役割を果たしてきた。そして本来の思惑としてはすでに後にした取締役会の仲間たち、ウリ・へーネス前会長やカール=ハインツ・ルメニゲ元CEOに続き、この夏に契約満了をもって退社することがすでに発表されている。

 そんな中でドイツサッカーリーグ機構の代表就任も取り沙汰される中、バイエルンからCEO就任打診の連絡が入り、「バイエルンから尋ねられれば考えないわけにはいかない」と55歳はコメント。「ドイツサッカーリーグ機構については、ヴァツケ相談役会会長とここ数日、本当によく話し合いをしたし、非常にリスペクトした感謝するやりとりができた。だから彼にはドイツサッカーリーグ機構の経営には携われなくとも、もちろんこれからも相談役会の一員として彼の仕事をサポートし続けていくことを約束している」と述べている。

 「私はバイエルン・ミュンヘンの一部。ここへの加入は人生最高の決断の1つだ。もっと連帯感をもっていきたいし、それは上層部から生まれスタッフに伝わっていくものだと思っている。これからの仕事は決して容易なものなどではないだろうが、それだけ魅力的なものでもあるさ」

 まずはサリハミジッチ競技部門取締役の後任人事の行方が気になるところだが、そこでの焦りはなく「カール=ハインツ・ルメニゲ氏のサッカーに関する専門知識を再び活用していく」とのこと。例えばマティアス・ザマー氏がクラブを後にしたのちには、ドレーセン氏とルメニゲ氏が共同で「移籍ビジネスを集中的に進めており、それは決して失敗などではなかった」と説明。だからこそ来季に向けて特に不安は抱いておらず、ルメニゲ氏やへーネス氏に加え、「何よりトゥヘル監督がいるんだ」と強調。つまりは監督自身がチーム作りに大きな影響を及ぼすことは間違いないようで、ドレーセン氏としては「取締役会の代表という立場で、適切な方法で関与していくよ」と語った。