2輪メーカーとして知られるヤマハ発動機ですが、過去には東京モーターショーなどに4輪車のコンセプトカーをたびたび登場させていました。なかでも2015年に発表された「SPORTS RIDE CONCEPT(スポーツライドコンセプト)」は大きな反響を集めました。

ゴードン・マーレーデザインのスーパーカーは市販化目前だった!?

 2輪車メーカーとして知られるヤマハ発動機(以下、ヤマハ)はかつて、独自の4輪車市販化に向けさまざまなコンセプトカーを発表していた時代がありました。
 
 なかでもスーパースポーツカー「SPORTS RIDE CONCEPT(スポーツライドコンセプト)」は特に大きな反響を集めた1台でした。

 2015年10月に開催された第45回 東京モーターショー2015でヤマハは、スポーツカーのコンセプトモデル「SPORTS RIDE CONCEPT(スポーツライドコンセプト)」を参考出品しました。

 同社は2年前の第44回 東京モーターショー2013で、超小型モビリティ「MOTIV(モティブ)」を発表。

 F1マシン開発などで知られるゴードン・マーレー氏とともに手がけた「i-Stream」コンセプトによる軽量・高剛性・高強度なスケルトンフレームを用いたモデルでしたが、このプラットフォーム第2弾として発表されたのが、スポーツライドコンセプトでした。

 i-Streamは、2シーター・リア駆動のスポーツモデルをはじめ、2シーターのシティコミュータ、さらにホイールベースを延長しSUVなどにも発展できるとしており、ヤマハも発表当時「市販化に向け着々と開発が進められています」と説明。コンセプトカーとはいえ、現実味のある仕上がりとなっていたのです。

 しかし2018年12月の中期経営計画発表の際、4輪車プロジェクトが一時凍結されたことが同社から正式に明らかにされました。採算性などを再度検討したうえでの、苦渋の決断だったといいます。

 そんな幻のスーパースポーツカーとなったスポーツライドコンセプトに対し、SNSなどでは反響が寄せられています。

 コメントでは「いまみてもカッコいい」「内装がオシャレすぎる!」「ヤマハ製エンジンにも期待できた」など、興味津々な様子がうかがえます。

 当時東京モーターショー会場で見たという声も多く「ボディも大きすぎず意外と現実的だった」「買えるかどうか(いくらになるのか)わからないけど、出たら欲しかった」と、熱烈なメッセージも見られます。

 ヤマハはこれまで、トヨタやボルボなどに搭載される高性能エンジン開発を手がけたほか、F1エンジン搭載のスーパーカー「OX99-11」も生産に向け動いていた過去があり、4輪車に対する思いが強いメーカーといえます。

 i-Streamによる4輪車プロジェクトは中断してしまいましたが、今後再び同様なプロジェクトが復活することを期待したいところです。