外環道と成田空港を直結する「北千葉道路」の計画が進行中です。北総地区ではかなり完成してきましたが、外環道からつながる区間はなかなか進んでいません。今どうなっているのでしょうか。

千葉ニュータウン経由で市川市と成田市を結ぶ「北千葉道路」

 外環道と成田空港を直結する「北千葉道路」の計画が進行中です。

 まだまだブツ切れ状態で、一部は「側道だけ開通」という中途半端な状況ですが、最終的にどんな道路になるのでしょうか。また、工事はどこまで進んだのでしょうか。

 北千葉道路のルートは、外環道の北千葉JCT(仮)を起点に、成田JCTで東関東道と新空港道へ直結するものです。

 構造は、印旛日本医大までが「自動車専用道4車線」+「側道2車線×上下線」という形で、そこから成田までは側道のみになる予定。もちろん高規格バイパスなので、側道も地上道路とは大半が立体交差となり、ランプ接続により信号待ちはほぼありません。優先順位としては側道開通が先です。

 なお、自動車専用道は、外環道から小室(国道16号)までは、有料道路として開通する方針が決まっています。途中のICは松戸市川西IC・松戸市川東IC・鎌ヶ谷西IC・鎌ヶ谷東IC・白井IC・小室IC(いずれも仮称)が設置される計画です。

 大部分が「北総鉄道」の敷地と一体で建設され、成田スカイアクセス線の電車と並行して、高規格道路が伸びることとなります。

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 気になる進捗ですが、側道は「新鎌ヶ谷駅・北」から「印旛日本医大駅・東」まで開通済み。そこから先は、側道の片方だけが対面通行2車線の暫定開通済みで、成田湯川を越えて、JR成田線手前の国道408号に接続しています。

 つまり、新鎌ヶ谷から成田まで、いちおう「北千葉道路」として繋がってはいる状況です。

 印旛日本医大から成田JCTまでは、側道上下線の完成に向けて、工事が進行中です。今進んでいるのは、JR成田線と国道408号をまたぐ高架と、数か所の土工部です。すでにもう片方の高架が完成済みの地点もあれば、いまだに橋脚すら未着工のところもあり、モザイク状になっています。予算にあわせて細切れで工事が発注されています。

 さて一方で、外環道〜新鎌ヶ谷は、工事開始までまだ時間がかかりそうです。
 
 まず外環道〜東松戸は、「市川・松戸工区」として、2021年にめでたく事業化。今は測量設計と、用地取得が進められているところです。まずは用地取得がある程度進まないと、着工には至りません。

 その先、東松戸〜新鎌ヶ谷は、事業化の前段階となる「都市計画決定」「環境アセスメント」のいずれも手続き完了しています。

 しかし、国交省が2月に発表した2024年度の新規事業化の候補区間に、残念ながら北千葉道路は含まれませんでした。少なくとも2025年度以降まで、大きな動きはないことになります。

 関東地方整備局の管内では、新規事業化を果たしたのは「新山梨環状道路」だけでした。

 千葉県は12月の県議会で、「用地取得を円滑に進めるための地籍調査を促進するとともに、沿線市と連携したパネル展を開催し広報活動を強化するなど、事業実施に向けた環境整備を進めているところです」としています。

 もっとも事業化したところで、用地取得の準備で時間がかかることも確か。このように地籍調査を事前に進めておくことで、いざ事業化を果たしたとき、着工までは全速力で漕ぎつけられるかもしれません。

 県の担当者は「千葉北道路は県民としても、成田空港方面の利用者としても、大変に重要な道路です。一刻も早く全線事業化を果たし、また開通を果たせるよう、引き続き地元の機運を高め、国へ訴えかけていきたいです」と話しました。