阪神高速の大動脈のひとつである松原線の喜連瓜破〜三宅が、異例の長期間である「3年間の全面通行止め」で工事を行っています。2022年6月にはじまった工事もすでに後半へ。今どこまで進んでいるのでしょうか。

橋を丸ごと架け替え

 阪神高速の大動脈のひとつである松原線の喜連瓜破〜三宅が、「3年間の全面通行止め」で工事を行っています。
 
 2022年6月にはじまった工事もすでに後半へ。今どこまで進んでいるのでしょうか。

 現場は、大阪市平野区の瓜破交差点。阪神高速松原線が、長居公園通をまたぐ部分です。

 ここで阪神高速の高架橋が、徐々に「垂れ下がる」という状態になりました。一般的に橋桁と橋桁の継ぎ目は橋脚に乗せられますが、ここは幅広い大通りをまたぐため、橋桁と橋桁をヒンジで繋いで一体化して空中に渡していました。

 そのヒンジ部分が、開通から約40年が経ち、老朽化などで少しずつ沈下。極端に言えば「V字」に近づいている状況でした。そのため丸ごと架け替えることになったのです。

 大阪市から堺市へ直結するルートであり、さらに西名阪や南阪奈道へ行くのに重要なため、3年間の通行止めはなかなかインパクトの大きな事業となります。その事業も、いよいよ完了まで「残り1年」を切りました。

 工事はいまどこまで進んだのでしょうか。まず、2023年夏ごろまで「橋桁を撤去するための作業用仮設桁」が組まれ、そこからいよいよ撤去の本作業が始まりました。

 阪神高速が4月10日に発表した資料によると、橋桁と橋脚頭部の撤去は、ことし3月に完了。今まで当たり前のように長居公園通の空を横断していた高架橋は「完全消滅」し、交差点内に青空から太陽光が降り注ぐ、まるで非日常の風景を見ることができました。

 さて、そこから新しい橋脚工事がはじまり、4月6日に完了。いよいよ、新しい橋桁を架設していく段階へ入るようです。

 橋桁は、両側の高架上で準備を行い、徐々に空中へ「送り出し」ていく工法で伸びていきます。巨大な多軸台車で地上から橋桁を支えながら、ふたたび長居公園通に高架橋が「復活」していきます。

 松原線の喜連瓜破〜三宅の全面通行止めが終わるのは「2025年3月末」の予定となっています。