信越化学工業が半導体材料の「フォトレジスト」を生産する工場を群馬県伊勢崎市に新設することが8日、分かった。投資額は約800億円で、2026年に完成する計画だ。国内で新たな生産拠点を設けるのは、塩化ビニール樹脂などの拠点として1970年に完成した鹿島工場(茨城県神栖市)以来56年ぶりとなる。

 国内の半導体産業のサプライチェーン強化を目指す。フォトレジストは半導体の回路形成に用いる薬剤。信越化学は台湾と直江津工場(新潟県上越市)で生産しており、21〜22年にそれぞれ増強した。伊勢崎市に計画する新工場は半導体材料の戦略的な拠点と位置づけ、今後は研究開発も手がけるとみられる。