信越化学工業は9日、先端半導体の材料として欠かせない「フォトレジスト」の新工場を群馬県伊勢崎市に建設すると正式発表した。三井化学も山口県などの工場で半導体製造に必要な保護膜の量産を検討。経済安全保障の観点から各国が半導体拠点の強化や誘致に動く中、日本では技術力で先行する素材分野で供給網の安定化を目指す動きが加速している。

 信越化学は伊勢崎市に約15万平方メートルの事業用地を取得。フォトレジストなど半導体の回路形成に使う材料を生産する。段階的に投資し、第1段階では2026年の完成に向け、約830億円を見込む。