夫婦の家事分担割合「変化ほぼなし」

 女性の社会進出が進み、共働き世帯は1980年614万世帯から、2022年1262万世帯と増加し、一方で専業主婦世帯は1980年1114万世帯から2022年539万世帯まで減少しています。夫婦世帯の7割が共働き世帯が占めています。

 家庭料理の宅配サービス「つくりおき.jp」を運営する「Antway」が、2024年1月、全国20〜69歳の男女を対象に「家事」に関する調査を実施し、その結果を発表しました。

 それによると、妻と夫の家事分担の割合を見ると、妻が81%で、夫が19%となっており、共働き世帯が増加している一方、家事負担は依然として女性に偏っていることがうかがえます。2010年には「イクメン」が新語・流行語となったにも関わらず、この10年で夫婦の家事分担に大きな変化は見られませんでした。

あなたが負担に感じる家事は何ですか/つくりおき.jp/株式会社Antway調べ

「料理」は女性負担が特に大きい

 普段の家事の中で負担に感じるものは何でしょうか。

「あなたが負担に感じる家事は何ですか」という質問に対し、「掃除」が67%で最多、次に料理が52%という結果でした。

 今回の調査では「料理」にスポットを当て、さら質問を重ねました。

 料理の頻度は「ほぼ毎日」が36%、「週に4〜6日」が13%で、約半数が週に4日以上料理をしています。しかし男女別で見ると、「ほぼ毎日」と回答した人が男性では17%に対し、女性は54%と、男女間で3倍以上の開きがあります。

1日のうち、自分のために使える自由時間は?

自分のための「自由時間」はある?

 1日のうち、自分のために使える自由時間について、専業主婦(夫)世帯と共働き世帯を比べると、2時間未満(「1時間未満」と「1〜2時間未満」の合計)と回答した人は専業主婦(夫)世帯で28%に対し、共働き世帯は49%となりました。逆に4時間以上あると回答した人は専業主婦(夫)世帯が37%に対し、共働き世帯は10%でした。専業主婦(夫)世帯に比べ、共働き世帯が仕事と家事育児の両立により自分の時間がない様子が伺えます。

 女性に家事・育児等が集中していることが、職業生活において女性の活躍が進まない要因の一つだと思うか?という質問においては、84%の人がそう思う(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)と回答しています。少子高齢化により生産年齢人口の減少が社会問題となる中、仕事と家事育児の両立支援が大きな課題となっています。

(LASISA編集部)