数字を使って社会を見ると、意外なことがわかるかも!? 統計をしっかり見ると、じつは自分が思っていたことや当たり前だと感じていたことが、実体とは違っていることもあります。数字はふだん見逃している、さまざまな側面を発見するヒントになるのです。そんな数字とイラストを使って、さまざまな事象を解説する『大人も子どもも知らない不都合な数字』(フォレスト出版)にて、数字の背景を考えながら社会問題に向き合っていきましょう。
※本記事はチャリツモ著の書籍『大人も子どもも知らない不都合な数字』(フォレスト出版)から一部抜粋・編集しました。

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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

共働き世帯の家事・育児にかける1日当たりの時間は妻が3時間24分、夫が51分
1980年に1114万世帯いた専業主婦世帯は、2022年には半分以下の430万世帯にまで減少しました。一方で、共働き世帯は614万世帯から倍近い1191万世帯まで増加しています。
この40年間で専業主婦世帯と共働き世帯の数が逆転し「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という性別役割分担は徐々になくなってきています。
大半の家庭が共働きとなった現在、家庭内における家事・育児の分担はどうなっているのでしょう?

総務省統計局の社会生活基本調査(2021年)によると、全年代の共働き世帯における男女別の家事関連時間(家事、介護・看護、育児、買い物にかける時間)は、妻が1日当たり3時間24分、夫が1日当たり51分。
1996年時点の夫の家事・育児時間は20分でしたから、20年間で倍増(31分増)したとはいえ、まだ大きなギャップがあります。
子育て中の共働き世帯でも、家事負担の不均衡は顕著です。6歳未満の子どもがいる夫婦の家事関連時間は、妻が1日当たり7時間47分、夫が1日当たり2時間9分でした。そのうち育児にかける時間は、妻3時間37 分、夫1時間6 分となっていて、育児負担に3倍以上の差があります。
家庭によって夫婦の分担の仕方もさまざまです。とはいえ家事・育児はもう少し平等に負担するべきですよね。
※掲載されている情報は2024年2月現在のものです。
(参考)
・男女共同参画白書 令和5年版(内閣府、2023年)
・令和3年社会生活基本調査(総務省、2022年)
・男女別に見た生活時間(週全体平均)(1日当たり,国際比較):有償、無償労働(男女共同参画局)



チャリツモ
これまで遠く感じていた社会問題を、自分ごととしてとらえるきっかけを提供し続けるクリエイター集団。「そうぞうしよう。そうしよう」がキャッチコピー。本書のベースとなっているWEBサイト「チャリツモ」をはじめ、10代の若者が抱える性のモヤモヤにこたえる「セイシル」(運営会社はTENGAヘルスケア)や「日本財団 Instagram」など、WEBメディアを中心にさまざまな媒体の運営に携わっている。