新年度を迎え、あっという間に過ぎ去った1週間。このままバタバタとしたペースに流されてしまっては、1年もあっけなく終わってしまいそうですね。

4月のうちに、自分の目標や計画を叶えるための時間術について考えてみませんか?

今回はご紹介するのは『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術(かんき出版)で説かれた「分解時間術」という考え方。

ビジョンから長期目標へ、長期目標から短期目標へ、短期目標から今日やることへ。時間を棚卸しして目標を達成するためのヒントを紐解きます。

目標達成は、計画が8割

考えてみれば、子どもの頃から「目標は?」と聞かれることはあっても「目標の立て方や実現の仕方は習ったことがない」という人は多いのではないでしょうか。

「大切なのは、目標を立てることではなく、目標達成までの計画の立て方、もっと言えば時間の使い方」とするのは、本書の著書であるタイムコーディネーター・吉武麻子さん

吉川さんによれば、目標達成は計画が8割であり、時間とタスクを「大」から「小」へ分解することで目標は達成できるとのこと。

この「分解」のはじめの一歩は、目標を立てるときに必ず「いつまで」をセットにして考え、期限は「3〜5年」「1年」「3カ月」「1カ月」「1週間」「1日」でセットする、というもの。目標を長期・中期・短期に分解していくことで、目標は現実的なものとなり、具体的な行動タスクが見えてくるのだそうです。

とはいえ、目標がなければ分解のしようもありません。目標はどのように捉えればいいのでしょうか。

目標を考える前に、人生の土台を整える

目標がない人も、すでに目標があるという人も、考えてみたいのが「自分はどう生きたいか」ということです。

吉武さんは、時間を「管理」「効率化」のためだけに使うのではなく、人生を充実させるために時間を選び、使うべきであると強調しています。

仕事や目標達成にかける時間だけを見て時間管理するのではなく、人生の一部分だということを意識して、時間の使い方を整えてほしいのです。そうでないと、時間と上手につきあっていくことはできません。

(『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』58ページ)

「どう生きたいか」と問われるとたちまち壮大なテーマになってしまいますが、難しいことはありません。「家族みんなが元気であってほしい」「自分の好きなこと、かつ使命感を感じることで社会貢献をしたい」「一度きりの人生、とにかく楽しむ」といったビジョンでOKです。

「どう生きたいか」「後悔しない人生とは」「大事にしたい価値観とは」を紙などに書き出して、それを自分で認識することからはじめてみましょう。

目標がなかった人は書き出したことを目標に掲げてもOKですし、すでに目標がある人もその目標に書き出した自分の価値観が合っているかを確認してみてください。

ときに調整しながら、時間とタスクを細分化していく

人生のビジョンを書き出したら、次はいよいよ「目標を分解する」の手順です。

1. 1年で成し遂げたい目標を設定する

大から小へ分解する、つまり長期目標を短期目標にしていくにはどのようにすればいいのでしょうか。

仕事のプロジェクトでは五カ年計画といった長いものもありますが、個人の「長期目標」なら1年で十分。「転職する」「独立する」「家を買う」といったそれ以上の目標がある場合は、別に書き出しておくぐらいでOKです。

先ほどのビジョンが「価値観の書き出し」だとすると、長期目標は「得たい結果の書き出し」。1年後にフォーカスして「1年目標」を書き出してみてください。

本書では「1年後に資格試験合格する」を例に、具体例が紹介されています。

2. 「1年目標」を4つの「3カ月目標」に分解

次に行なうのは、1年目標を4つに分けること。吉武さんいわく「3カ月というのは、ゴールまでに必要なタスクを想定しやすく、スケジュールに組み込みやすい期間」。

1年目標のままだと内容がふわっとし過ぎてしまいますが、3カ月という小さな単位にすることで、いますぐ取り組めるタスクに棚卸しができて、地に足のついた行動計画を練ることができます。

3カ月目標を1つのプロジェクトとして優先的にスケジュールに組み込み、そのプロジェクトに対する3カ月の工程をざっくりと決めましょう。

たとえば本書の例ではこんな感じです。

<1年目標:資格試験合格>

4〜6月:早起きの習慣化、テキストインプットとアウトプットえ基礎強化

7〜9月:テキストインプットとアウトプットを繰り返す、過去問練習

10月〜12月:模試受験正解率7割目指す、過去問練習

1月〜3月:もし受験正解率8割目指す、過去問練習

(『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』85ページ、スタートを4月に改変)

このとき大切なのは、はじめの3カ月は無理のない目標にすること。すでに仕事や予定があり、思ったように時間を確保できない可能性があるからです。

3. 「3カ月目標」を「1カ月目標」に分解

1カ月目標を設定するためには、3カ月目標を達成するための具体的な方法が必要になります。

そのために考えたいのが以下の5つ。

1)3カ月後に何を達成していたいか

2)成果として何を得ていたいか

3)2の得たいゴールを達成するための具体的な方法を考える

4)2のゴールから逆算してマイルストーン(中間目標地点)を置いていく

5)2の得たいゴールを達成するのに必要なタスクを細分化する。行動ルールも書き出しておく

(『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』113〜114ページ一部抜粋)

上記の5つについて、「具体的に書き出すこと、それを時間軸で見えるようにしておくことで、視覚的に記憶することができる」と吉武さん。

「1年後に資格試験合格する」という漠然とした1年目標が、ずいぶん明確化してきましたね。

4. 1カ月目標を「1週間目標」「1日目標」に分解

1カ月目標に分解したあたりから、「時間」の管理が視野に入ってきました。

「1週間目標」を考えるにあたり、見極めたいのは「目標や夢のため動ける時間は1週間に何時間あるか」ということ。1週間の時間を見える化します。

時間を見える化することで、時間を大切に使おうという気持ちが湧くと同時に「時間が限られている」ということを自覚することにもなります。

そうすることで、おのずと「1日目標」にも上手に分解できるというわけです。


1年後に夢や目標を叶えるために、時間とタスクを棚卸しするというこの分解術。本書では目標や計画の立て方から上手な時間の使い方、行動を習慣化するための方法が、わかりやすく紹介されています。

そのなかで吉武さんが繰り返すのは「完璧な目標は存在しない。目標や計画は動きながら調整していくと心得て」ということ。

目標達成までの地図通りに進められればベストですが、道を間違ったり遠回りしたりしてもあきらめる必要はありません。目標をきっちり立てたのに、守れなくて挫折…なんてことになってしまっては本末転倒。

ときに調整をしながら、1年後には夢を実現できるように、まずは自分の人生の「ビジョン」を考えることからはじめてみませんか?

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Source: かんき出版