昨年TikTokではたくさんの職場に関するトレンドが話題になりましたが、その中で登場したのが「最低限の月曜日」という考え方。

Marisa Joという人が提案したもので、その後何百万人もの人々に議論されることになりました。

この「大消耗時代」、理想の月曜日とは?

最低限の月曜日とは「燃え尽き症候群になりかけている労働者は、月曜日に最低限の仕事をする許可を自分に与えるべきだ」というアイディアです。

そうすることで日曜の憂鬱と戦い、仕事に戻りやすくすると同時に、膨らんだ期待と残念に思う失望の連鎖を防ぐことになり、その週の残りの日々の進行を妨げないようにする、という考え方です。

理にかなっているようには聞こえますが、正直なところ、最低限の月曜日に対する筆者の最初の反応は懐疑的なものでした。

週末の休息後の月曜日にエネルギーや明晰さを奮い立たせることができない起業家(あるいは会社員)が、どう週の後半を乗り切ることができるというのでしょうか

月曜日に気合を入れることで金曜日までの勢いがつくことが個人的にはよくあります。また、筆者は仕事が終わっていないと大きなストレスを感じるタイプなので、対応しなければならないメールが受信トレイで山積みになっているとわかっているときにリラックスしようとしても意味がありません(この種の「先延ばし」は必ずしも役に立たないのです)。

一方で、キャッチーな名前をつけたMarisa Joの提案に数百万の人たちがポジティブに反応した理由もわかります。調査によると、燃え尽き症候群のレベルは極めて高く、マネジメントの第一人者たちの話題は「大離職時代」から「大消耗時代」へと移っています。月曜日に気持ちが乗るようにすることは、今では特に難しい課題となっているのです。

なにか、いい月曜日への対処法はないものでしょうか。

そこで今回は、Appleのエグゼクティブによるブログ記事で出会った、すばらしいアイデアを紹介します。

もっといいプランで週をスタートさせる

Michael Loppは、テクノロジーに関わるベテランのエグゼクティブであり、自身のブログ「Rands in Repose」でエンジニアリングチームの率い方についての考えを語る文筆家でもあります。最近になって、「月曜日をどのように過ごすか」というトピックを取り上げました。

Loppは筆者と同じく、「月曜日は生産性と新鮮な視点を得る絶好の機会であり、だらだらと過ごして無駄にするのはあまりにもったいない」という考えです。

水曜日のように、すでにあらゆることが進行中なわけではない。月曜日、午前9時前は真っ白な状態。個人的には、この時間は自分の調子を整えるチャンスだ。

このようにLoppは書いています。

そうするために、冷静さと内省を、優先順位の設定と行動にうまく結びつける、シンプルな7つのステップからなるルールに従っているといいます。

1. 飲み物を静かに一口飲む

Loppの第一のステップには、脳を目覚めさせて柔らかくするための時間を与えるという意図があるようです。

まだ静かなうちに、淹れたてのコーヒー(個人的な好みはブラックの濃いめ)を飲む。コーヒーが苦手なら、チャイを試してみても、あるいは水でもいい。ここからの各ステップでは、合間に一口飲むという短い間が必要になる。

まずは、仕事と関係のないものをなにかしらを読んで、精神的な活力の流れをスタートさせる。ニュースを流し読み、それから仕事に近いもの、重要ではありつつ緊急ではないもの。ここで一口。

飲み物を口にするというのは簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、注目に値するのは、「今この瞬間に集中しているのであれば飲むという行為がマインドフルネスの形のひとつになり得る」と瞑想を教える人たちが主張しているということです。

このようなマインドフルに「味わう習慣」は、脳内の雑念を取り除き、ストレスを緩和し、仕事や人生をもっと楽しめるようにする方法としてよく推奨されています。

2. 仕事場を片付ける

頭をすっきりさせたら、次に仕事場をすっきりさせます

デスクあるいはデスクトップであっても、3分かけてスペースを「自分のものにする」

これには人それぞれ違うやり方があるものの、ゴチャゴチャしはじめたら、手をつけるべきだ。そして、ここで一口、また飲み物を。

3. 受信トレイをきれいにする

次は、電子上の仕事場の片付けです。

必要な場合は注意を払う。

今割ける以上の注意が必要なら、その日ののちの時間に予定として入れる。それも無理なら、そのタスクをToDoリストに入れる。ここで一口。

4. Slackをきれいにする

このプロセスの掃除・集中セクションの最後はSlackです。

ダイレクトメッセージや、誰かにメンションされて赤い通知バッジがついているチャンネルは常に何かのニュースなので、そうしたものを探す。

「話題」というカテゴリできちんと整理したチャンネルグループに目を通す。あくまで流し読みで、深く読み込まないこと。あくまでスープの味見程度に。

最後に、時間が許せばほかのチャンネルもざっと見る…好奇心に従って予想外の発見があるか試すだけ。ここで一口。

5. カレンダーをチェックする

物理的な空間と仮想空間、心にゆとりができて整理されたところで、1日および1週間を通してそうしたスペースをどのように埋めていくかを考えます。

予定が詰まったり時間を浪費したりする可能性のあることは避けるようにしましょう。

一週間の予定を見て、不釣り合いなエネルギーと時間が必要となるものは何かを確認する。そうしたものについては、それだけに集中できる時間を追加で設けるなど、適切な準備時間を確保する。

さらに時間の節約になる方法であったり、ダブルブッキングがないかを確認する。地理的に難しい会議には移動時間を組み込み、数週間前には重要だと思えた会議でも今ではそれほど重要でなさそうなものは断ること。こうした辞退については重要な人物には予め知らせ、向こうから「どうしても出席してほしい」とも言える状態にすること。ここで一口。

6. ToDoリストを確認する

LoppもシンプルなToDoリストを信奉するエンジニアのリーダーの一人ですが、その使い方について独自の工夫を語っています。

ToDoリストは、完全に更新された最新のものだけが価値がある」といいます。

目標は、すべてのタスクを「今日」「今夜」「それ以降」の3つのバケツに分けて入れること。これがすぐにできない場合は、カレンダーにToDoリストを整理する時間を確保する。

もちろん、ここでもまた一口。

7. 到達すべき基準を見直す

各自の仕事の世界には、注意深く観察しなければならない重要な一連の基準が存在する。そうした基準は、次の3つのいずれかの状態にある。

1. 明確に定義されていて万人に理解されている

2. (たぶん)どこかに(なんとなく)存在し、一部の人が(どちらかといえば)重要だと考えている

3. 存在しないので誰も気にしていない

どのタイプであっても、少し時間を費やして、明確に定義された基準を見直すか、なかば理解されている基準をもっと多くの人が知っている状態にするか、新しくこうした基準を定義したり見つけたりする必要がある。

このようにLoppは結論づけています。

基準の話は、特定の分野では多かれ少なかれ異質なものに思えるかもしれませんが、基本的な考え方は普遍的です。

どんな仕事にも、その根底には本質的な目的があります。筆者は読者を惹きつける記事を書く必要があります。デザイナーは顧客の問題を解決するものをデザインする必要があります。経営者は利益を上げる必要があります。

Loppの最後のステップは、最終的に自分が達成するべきことを思い出し、それに従って進捗状況を確認する(そしてそれに時間を割く)ということです。


筆者にとってこのプロセスの魅力は、ストレスがかかるというより癒されるものだということです。温かいものを飲む喜び、そして体が運動の前にウォーミングアップを必要とするのと同じように、脳にも仕事の前にウォーミングアップが必要だという理解に根ざしています。

その目的は1週間で一番重要なことを見つけることであると同時に、仕事での集中力と効果を高めつつも、猛烈になって消耗する度合いは下げるようにしようというものです。

あなたにも、準備を整えるのに絶対に欠かせない月曜日の習慣はありますか?

タスクの優先度を「数値化」すれば、生産効率はもっと良くなる | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2403-work-turn-your-to-do-list-into-data-to-maximize-productivity/

「今、ここ」に集中するためのシンプルなルール3つ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2403-best-kept-secret-to-productivity/

Source: The New Yorker, Rands in Repose(1, 2),

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