打球を意図的に曲げるときの理論③ 構える方向を変えてもボールを曲げられる 打点のズレでも打球を曲げられる

ここまでの話は、芯でボールを打っている場合の理論です。打球の曲げ方として、また別のメカニズムを使う方法があります。芯でボールを打たないことでボールに回転を与える方法です。芯よりトゥ側でボールを打つと、ボールに押されてフェースが開きます。ボールに押されてフェースが右回りに回転すると、ギア効果といって、ボールには左回りの回転がつきます。つまり、左に曲がる打球になるのです。

逆に、芯よりヒール側でボールを打つと、フェースが閉じる方向にヘッドが回転し、その際のギア効果によって打球に右回転がかかり、右に曲がる打球になります。

打点のズレでも打球を曲げられる『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』

フェースのトゥ側にボールが当たると、トゥが押される。フェースが右に回転するとき、摩擦によってギア(歯車)がかみ合ったように、ボールには左回転がかかり、左に曲がる打球になる。

出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭

【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。