コーヒーと焼き菓子のカフェ「yamawarau coffee roaster(ヤマワラウコーヒーロースター)」(伊那市新山)が4月6日、伊那にオープンした。(伊那経済新聞)

 テイクアウトもできるコーヒー

 店主の入江信文さんと春菜さん夫婦が昨年、約3カ月かけて中米を回りながら直接コーヒー農園を訪れて選んだコーヒー豆を使う同店。「生産者の思いやこだわりを引き出すような焙煎(ばいせん)を心がけている。現地で生産者と話した時に感じたコーヒー豆の特徴を生かし、味のイメージを決めている」と信文さん。自ら焙煎した豆を、注文が入るとドリップしていく。

 メニューは、「ヤマワラウブレンド」「ホシガラスブレンド」(以上550円)、「コスタリカ ラス・コリナス ナチュラル(浅いり)」(600円)など、ブレンドコーヒーや浅いり、中いり、深いりを取り扱う。この日の焼き菓子は「モエールショコラ」(350円)、「アマンディーヌ」(390円)。日替わりで焼き菓子のメニューは変わる。

 信文さんは大学時代にコーヒー店でアルバイトをしたことがきっかけとなり、将来はコーヒー店を開業すると決意。「大学卒業後、コーヒー店を開業するなら焼き菓子製造を学ぼうと、学費をため専門学校で菓子作りを学び、卒業後は東京の菓子店で修業を積んだ。その後、東京のコーヒー店で品種や焙煎を学んだ」と振り返る。

 伊那市出身の春菜さんとは、そのコーヒー店で出会う。2人は昨年1月〜4月、コーヒーの産地である中米のコーヒー農園を巡り、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカの4カ国、計16のコーヒー農園を訪ね歩いた。「生産者によってコーヒーの特徴は全然違う。現地で感じたコーヒー豆の個性を生かせるような焙煎を考えた」と話す。

 木材を使った店舗の中央にはまきストーブを置き、床にはコーヒー豆のモチーフを施す。壁にはしっくいが塗られ、大きな窓からは南アルプスを眺めることができる。春菜さんが一人で内見に訪れた際に気に入り、動画を見た信文さんも気に入ったため決めた物件だという。「『山笑う』という店名にもあるように、山が好きなので山が見えるいい物件に出合うことができた。お菓子を作っていくうえでも果物が豊富な長野はぴったりだった。のこぎりも使ったことがなかったが、使い方から教わり、たくさんの仲間と共にDIYした。いい大工にも出会えたおかげで、ここまで来ることができた」と振り返る。

 「4月末ごろには電気が通る予定。その時にオーブンも届くので、焼き菓子も5、6種類に増やしていく。今後は焙煎の講座なども開きたい。自分たちが焙煎するスペシャルティコーヒーで皆さんが楽しい時間を過ごしていただければ」と意欲を見せる。

 営業時間は9時〜17時。火曜定休。