5月28日に東京競馬場で行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。世代の頂点を決める熱き戦いにメタルスピード(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)が津村明秀騎手とのコンビで挑む。

 メタルスピードは父シルバーステート、母マイビビアーヌ、母の父Shamardalという血統。近親は欧州で走った馬が多く、中でもFox Talは19年の英チャンピオンSで4着に入るなど重賞でも活躍している。

 本馬は22年8月に新潟競馬場の2歳新馬戦で初陣を迎え4着。その後は徐々に着順を上げ、今年1月に中山競馬場で行われた3歳未勝利戦で初白星を挙げた。続く3月中山の条件戦も連勝し、中1週でスプリングSに出走。好枠を利して内々を立ち回り、重賞初挑戦ながら3着に好走した。

 権利を得て出走した皐月賞では、8番手あたりから外々を回って進出。最後は1番人気のファントムシーフと連れるようにして伸び、13番人気の伏兵評価を覆して4着に健闘した。上位入着がなければダービー出走は絶望的だったが、無事に切符を獲得。世代の頂点へ望みをつなげた。通算成績は8戦2勝。

 鞍上の津村明秀騎手はGI未勝利だが、今月6日にJRA通算600勝を達成して勢いに乗っている。人馬ともにダービーでGI初制覇となれば、非常にドラマチックな展開。大敗すれば出走不可能という状況を2度くぐり抜け、皐月賞&ダービー挑戦を果たした“勝負強さ”と“しぶとさ”を武器に、ビッグタイトル獲得を狙う。