西園正都厩舎が葵ステークス(3歳・GIII・芝1200m)のビッグシーザー(牡3)で10年ぶりのスプリント重賞制覇を狙う。

 西園厩舎はGI4勝を含め、JRA重賞30勝を挙げる西のトップステーブル。とりわけマイル以下に強く、安田隆行厩舎と並んで“短距離王国”の異名をとった。ただ、意外にもスプリント重賞を制したのは13年セントウルSのハクサンムーンが最後。その後の重賞勝ちは18年ヴィクトリアマイルのジュールポレール、22年京都記念のアフリカンゴールドなど、いずれもマイル以上なのだ。

 久々に現れたスプリント路線の大物がビッグシーザーだ。父ビッグアーサー譲りの筋肉質な馬体の持ち主。デビュー2戦は3着、2着と惜敗を続けたが、3戦目の未勝利から福島2歳S、中京2歳S、マーガレットSと4連勝。それも全てがワンサイドゲームだから、3歳のスプリント路線で頭一つ抜けた存在と言えるだろう。

 大目標はハクサンムーンで届かなかったGIタイトル。ならば、重賞は通過点。ここはきっちり勝って、秋のスプリント王決定戦に弾みをつけたい。