来年2月で定年となる河内洋調教師が、皐月賞(3歳牡牝・GI・芝2000m)のウォーターリヒト(牡3)でGI初制覇を狙う。

 河内師は騎手としてJRA通算2111勝。GI勝利はは22を誇り、皐月賞は01年にアグネスタキオンで制している。一方、調教師としてはJRA通算375勝。GIは07年の天皇賞(秋)のアグネスアークの2着が最高着順で、皐月賞は15年のワンダーアツレッタ(15着)以来、2回目の参戦となる。

 ウォーターリヒトはここまで7戦1勝。玄人好みのキャラクターかもしれないが、シンザン記念が17番人気で3着、きさらぎ賞が10番人気で2着。自慢の末脚を武器に、世代屈指の穴馬の地位を確立している。前走のスプリングSは2番人気で9着に敗れたが、当時は前半1000mが63秒1、後半600mが33秒7の数字が示すように、超スローからの上がり勝負だった。差し馬には厳し過ぎる流れだったので参考外でいい。

 河内師は昨年のJBCレディスクラシックをアイコンテーラーで制し、Jpn1のタイトルは獲得した。残すはJRAのGIだ。野平省三(40年に騎手と調教師兼任)、保田隆芳(騎手で68年、調教師で76年)に続き、史上3人目となる騎手&調教師での皐月賞ダブル制覇もかかる一戦。ラストイヤーに現れた孝行息子で、悲願達成となることを期待したい。