住友化学は30日、2024年3月期連結業績予想(国際会計基準)の当期損益を2月の公表時に比べて670億円下方修正し、3120億円の赤字(23年3月期は69億円の黒字)になると発表した。連結子会社の住友ファーマの減損損失などを計上し、当期赤字は過去最大になる見通し。構造改革として24年3月期から2期にわたり、国内外で約4000人削減する。25年3月期は当期損益で200億円の黒字転換を目指す。

24年3月期は、住友ファーマが医薬品の特許権の一部で減損損失を計上。本業のもうけを示すコア営業損益は、2月比で40億円悪化の1490億円の赤字(同927億円の黒字)に膨らむ見込み。

一方、25年3月期のコア営業損益は1000億円の黒字化を予想。特に住友ファーマで合理化を進める方針で、すでに24年3月期に北米人員を約半分にしており、25年3月期も研究開発費の圧縮などを行う。また前立腺がん治療薬の拡販など成長戦略も推進する。

石油化学関連では、業績が悪化するサウジアラビア石化合弁会社「ペトロ・ラービグ」の対策が急務。合弁相手のサウジアラムコとタスクフォースチームを設け、収益力の強化に向けて1年内に方向性を示す考え。

岩田圭一社長は「V字回復を達成し、住友ファーマとラービグの課題にめどを付けたい」と述べた。