ドジャース・大谷翔平(29)の通訳だった水原一平容疑者(39)による一連のスキャンダルに新事実である。

 米スポーツ専門局ESPN(電子版)は日本時間18日、大谷とエンゼルス時代に同僚だったデービッド・フレッチャー内野手(29=現ブレーブス傘下3Aグウィネット)が違法賭博に関わっていたと報道。記事によると、フレッチャーは2021年、胴元のマシュー・ボイヤー氏を水原容疑者に紹介したという。

 複数の米メディアによれば、フレッチャーは禁じられている野球賭博はおろか、自軍の試合の勝敗予想にも賭けていたとされ、MLBが本格的に同内野手の本格的な調査に乗り出す方針だ。

 ポーカーの愛好家としても知られるフレッチャーは、胴元に水原通訳を引き合わせた21年、エンゼルスと5年2600万㌦(当時約27億3000万円)で契約延長。不動の二遊間として期待されながら、前年の打率.319から打率.262と大きく成績を落とし、故障や若手の台頭もあって23年にマイナーに降格。オフにはブレーブスに放出された。

 かねてから違法賭博の胴元との親密な交際が噂されており、当時のエ軍フロントが適切に対処していれば、今回の水原容疑者による26億円ともいわれる不正送金を防ぎ、大谷にも被害が及ばなかった可能性もある。

 そもそも、エンゼルスはコンプライアンスに対する認識が甘い球団だ。2019年には当時エース格だった左腕のタイラー・スカッグス(享年27)が、合成麻薬の過剰摂取により、遠征先のホテルで窒息死。スカッグスはエ軍の元広報部長エリック・ケイから、球場のクラブハウスで薬物の提供を受けていたことが明らかになった。ケイ元広報部長は後に、禁錮22年の実刑判決を受けるなど、一大スキャンダルに発展した。

 大谷は17年オフにポスティングシステムで移籍する際、二刀流でのプレーを優先してエンゼルス入りを決断した。21年には投打のリアル二刀流を実現させ、同年にはア・リーグMVP、23年には2度目の最高殊勲選手とアジア人初の本塁打王のタイトルを獲得するなど、着々と実績を積み上げた。その一方で、コンプライアンスへの意識が足りないエ軍入りが相棒の運命を狂わせたといえるかもしれない。

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 日刊ゲンダイは大谷が日本ハム入団当時のGMである山田正雄スカウト顧問にインタビューを実施。結婚、二刀流、その素顔などを聞いた。その中でも、山田氏を驚嘆させた「普通でなかった大谷の思考回路」とは……。

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