創刊10周年を記念したアニバーサリースナップ企画!
今も昔も変わらずおしゃれで素敵な3名にご登場いただきました。
2014年の創刊当時のスナップ画像とともに、10年の軌跡を振り返り、好きなモノや着こなし方など、「変わったこと、変わらないこと」をうかがいます。

今回話を伺ったのは・・・
ギャラリー&パン屋オーナー
引田かおりさん
夫婦で東京・吉祥寺で「ギャラリーフェブ」とパン屋「ダンディゾン」を営む。作家たちと豊かな暮らしを提案。『たぶん だいじょうぶ』(大和書房)など著書多数。


お仕立て&お直しすることで、自分の”好き”を詰め込んで

ギャラリーのオーナーという仕事柄、10年前は作品のじゃまにならないよう“こぎれいでシンプルな服”を選んでいたという引田さん。

年を重ねた今、「似合う・似合わないは人からの目線。自分の好きなものを好きなように着ていいんじゃない⁉」と思うようになったといいます。

「昔は、若くないのに、『頑張っておしゃれしている感』を出したくない、と思ったりしていました。でも、人からどう見えるかより、自分が、“好きか嫌いか”が、大事と気づき、“自分軸”で服を選べるようになりました」。
 
すると、もともと好きだったフリルやギャザー、丸衿といった可愛らしい服が増えていったと、引田さん。

「丸衿やギャザーなどの服を街で見つけても、ビッグシルエットだったり、丈が長かったりと、そのままでは着られないことがほとんど。でも、そこで諦めずに、自分仕様にお直しして着ています」。 

このひと手間がとても重要で、選択肢が広がるだけでなく、オンリーワンの服になって愛着も湧くのだとか。

引田さんは、制限を設けず、自分の好きと向き合って、おしゃれを大らかに楽しんでいました。

10年前は・・・

10年前はひざ下丈のシンプルなワンピースを愛用。

「清潔感のあるブルー系が多かったです」(2014年4月号掲載)

自ら買って着ることで若いデザイナーを応援

ブラウスとデニムは「SP(エシュペー)」。手間のかかる“面倒くさい服が作りたい、それを支えてくれる工場とともにやっていきたい”という若手デザイナーのブランド。
「生地も仕立てもデザインも素晴らしく、ギャラリーで展示も行いました。若い才能を応援していきたいです」

繊細なギャザーがたっぷり入ったデザインながら、ボリュームが出過ぎず、後ろ姿もすっきり。


可愛らしいイラスト柄は黒のベスト&小物で引き締め

ワンピースは福田利之さんのイラスト柄で「チェック&ストライプ」と引田さんがコラボしたデザイン。「福田利之さんは20年来の仲。
昨年ギャラリーの20周年を記念し、個展も開催しました」。
「エシュペー」のベスト、「アギュー」のバック、「ファビオ ルスコーニ」の靴で黒を挿し、シャープな装いに。

手を洗いやすいように袖口にシャーリングを施し、被らなくても下から着られる優秀デザイン。


ロングスカートは自分に合った丈にお仕立て

スカートは「チェック&ストライプ」で自分に合った丈にお仕立て。
オーバーサイズの黄色のTシャツをゆるくインしてバランスを整え、「サロモン」の白革スニーカーで抜け感をプラス。「エバゴス」のかごが好アクセントに。

10年前は・・・

10年前にはいていたスカートは、ひざ下丈といえども、今と比べると少し短め。(2014年4月号掲載)


バッグは軽量かつコンパクト化が加速

「昔のような重いブランドバッグはもう持てません。今はスマホと財布が入るミニサイズにエコバッグをしのばせておけばOK」。
黒×白ギンガムは「クードル」、アニマル柄は娘さんの子供服ブランド「タピbyハップ&クラフト」。ハートの刺しゅう入りはギャラリーのオリジナル。

昔集めた“キラキラ”なハイブランドを再活用

40代の頃に使っていたカルティエやティファニーのジュエリー&時計を箪笥の肥やしにせずに再活用。
「しばらく遠ざかっていたのですが、皮膚にツヤやハリがなくなった今こそ、キラキラしたものの出番かなと(笑)」


撮影/白井裕介 文/坂口みずき

大人のおしゃれ手帖2024年5月号より抜粋
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