[上海/シンガポール 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場の予想通り据え置いた。

経済全般に改善の兆しが幾分見られる中、人民銀は先週、1年物中期貸出制度(MLF)の適用金利を据え置いていた。

1年物LPRは3.45%、5年物は3.95%にそれぞれ据え置いた。

中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。

ロイターが市場関係者27人に今週実施した調査では、全員が1年物と5年物の据え置きを予想していた。

2月は、5年物を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、低迷する不動産市場を下支えする意向だと受け止められた。

しかし、大幅な金利引き下げは人民元と、昨年来、利ざや縮小に苦しむ銀行に圧力を与えることにもなる。

市場関係者の間では、当局が人民元の安定を引き続き最も重視しているというのがコンセンサスになっている。

人民銀の発表を前に、キャピタル・エコノミクスの中国首席エコノミストのジュリアン・エバンズ・プリチャード氏はノートで、「人民元は今年に入り対ドルで下落している。この状況での金利引き下げは元をさらに下押しする圧力になる」と指摘。全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告が元の安定を維持する方針を示しており、政策責任者の目指すところはそのような元安を防ぐことだと述べた。