歌手の由紀さおり(77)が26日、フジテレビ「ぽかぽか」(月〜金曜前11・50)にゲストとして生出演。「ザ・ドリフターズ」で04年に他界したいかりや長介さん(享年72)について語った。

 世界に認められる歌手として知られるだけでなく、「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」といった番組でのコントでも活躍した由紀は、ゲストに対する勝手なイメージについて語る「ぽいぽいトーク」のコーナーに登場。「志村けんさん、いかりや長介さんと親友だったっぽい」とのイメージを振られると、「△」の札を掲げてみせた。

 「親友っていう言い方はいかりやさんにはご無礼かしらと。やっぱり私の師匠でございました。コントの」と明言。1969年に「夜明けのスキャット」を発売し大ヒットし、「全員集合」にも同年10月から出演していたが、最初はクイズをやっていたという。

 罰ゲームに関しては「みんなチームの、荒井(注)さんだったり、加トちゃんだったりがやってくださって、救いをちゃんといかりやさんは作って下さって。歌い手さんたくさん出ましたけど、その方たちのイメージが壊れないように」「特に女性の場合はね。そういう配慮を凄くしてくださいました」と明かした。

 その後本格的なコントをするようになっても「みんなスカートがパーっとめくれちゃう“陽のあたる坂道”って、坂道バーッと降りてくるとスカートがめくれるように、それを皆さんも期待しておられる、だから我々下ブルマはいてたりとか。いろいろ考えながら」と説明すると、「でもそういうことをちゃんとしてくださったので、だからみんなやるやるって言って、嫌がらずにやったんです」としみじみと話した。

 MCのお笑いコンビ「ハライチ」岩井勇気が「めちゃくちゃな目には遭ってないんですか」と尋ねると、由紀は「遭いませんでした。それは皆さんがディフェンスちゃんとしてくれたから」と説明。金だらいが落ちるシーンなども「ちょっとよけると隣に加藤(茶)さんがいて加藤さんが…」と笑ってみせた。

 MCの「ハライチ」澤部佑が「全然できなかったんですね台本もなんか。いつもぎりぎりっていうのを聞いたんですけど」と話せば、由紀は「『ドリフ大爆笑』の方は3日前くらいから作家さんが8人くらいいて、いろいろアイデア出すんだけど、長さんのOKが出なくって。“あしたああいうことやる、こういうことやる”って言われて3時間ぐらい待っても“ごめんねまだ何やりたいか決まらないから、明日。一応僕はこういうことやりたいと思ってる”って。長さんが教えてくださるんだけれども、でも台本はなかった」と驚きの事実を明かした。

 台本は当日になるのかと言われると、「口立てって言うけど、“僕がこう言ったらこう言って、こう言ったらこう言って”みたいなことで一応シチュエーションだけは」と由紀。

 「その中で『君の名は』の数寄屋橋みたいなシーンで、2人で抱き合っているんだけれども、“明日から僕は戦争に行くんだよ”って言うと、“構わないわ”って」と回想すると、「で最後は“君の名は”って聞かれるわけよ、“教えない”って。それが最後のオチだったんですけど」と笑わせた。

 「そのコントが大好きで、あたしは今でも。それ終わった時に長さんが“ごめんな、こんなにきつく抱きしめちゃって悪かった”って言うんです。“そんなことないわ。うれしかったです”って言うと、“えへへ”って笑って」と懐かしそうに話した。

 また「ビールのCMで、ベースを弾いてるCMがあったでしょう」と語り、「あの時の長さんが、一番素の長さんに近い感じでした」「ニヒルな」と目を細めた。