NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)で藤原道兼を演じている俳優の玉置玲央(39)が、5日放送の第18回で物語から退場した。

 藤原3兄弟の次男で、作中屈指の憎まれ役を好演。放送を重ねるごとに人間味あふれる芝居も話題となり「自分なりに積み重ねてきたものが実を結んでいっている感覚がありました」と充実感をのぞかせた。

 初回から存在感を放った。目障りな弟の道長に暴力を振るい、主人公・紫式部の母ちやは(国仲涼子)を怒りにまかせて衝動的に斬殺。「自分のせいで視聴者が離れてしまうのではと不安もあった」と振り返るが反応は真逆。SNSでは「こんな大河見たことがない」など大いに沸いた。

 鬼気迫る残虐な演技が光る一方、常に次男という立場に悩む孤独な姿が共感を呼んだ。出番を終え「ろくな死に方をしないと思っていましたが、最期は彼なりの幸せを見つけることができたんじゃないかな」と役に共感。貴重な経験となった今回の大河。「自分は殺人犯やクズの役が多いが、大河を通じ、もっといろいろなクズを演じることができると思った」と手応えをつかんだ。(吉澤 塁)