青学大の3連覇か、それとも中大と日大が阻止するか。東都リーグは佳境に入り、きょう21日からは優勝戦線に残る3校が負けられない戦いに挑む。大一番を前に、各大学の優勝への行方をおさらいしておきたい。

 開幕8連勝で3季連続Vへ視界良好だった青学大だが、第5週で日大から勝ち点を落とし勝つしかなくなった。未消化となっている中大戦はすでに1勝しており、24日の2回戦でたとえ敗れたとしても、3回戦で勝利し勝ち点を挙げれば、優勝を決めることができる。

 中大はここまで7勝4敗だが勝ち点(3)は一つも落としておらず、自力での完全優勝の可能性を残す。きょう21日の日大との3回戦に勝利し、すでに1敗している24日からの青学大に連勝すれば19年秋以来のリーグ制覇を自力で決められる。例え日大に敗れたとしても、青学大から勝ち点を奪い、同じ24日から予定されている日大―国学院大で国学院大が勝ち点を奪うと優勝が舞い込むこととなる。

 他力だが残り全勝で優勝の可能性を残すことができるのが日大だ。青学大戦では勝ち点を落とせば優勝の可能性が消滅していたが、1回戦を落としてから執念の連勝で勝ち点を奪取。未消化となっている中大、国学院大から連勝して勝ち点を4に伸ばした上で、中大が青学大から勝ち点を奪うと勝率の差で16年秋以来の優勝をつかむことができる。

 今秋ドラフト1位候補の西川史礁(みしょう)外野手(4年)やエース左腕・児玉悠紀投手(4年)ら投打ともタレントぞろいの青学大が優位に進めていたが、中大も東恩納蒼投手、橋本航河外野手ら1年生の活躍に上級生も奮起して勝ち点は落とさない粘りの野球で食らいつく。日大は大一番の青学大戦で2、3回戦続けて左腕・坂尾浩汰投手(4年)を先発させるなど片岡昭吾監督の采配がズバリ的中し、優勝戦線に残った。最終盤になっても全く予想が付かない展開が続く今季。これこそ“戦国東都”と呼ばれるゆえんだろう。(記者コラム・村井 樹)