ヤン=レナード・シュトルフ
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男子テニスのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、ドクレー、ATP1000)は5日、シングルス準決勝が行われ、ラッキールーザーで本戦入りした世界ランク65位のJ・シュトルフ(ドイツ)が予選を勝ち上がった同121位のA・カラツェフを4-6, 6-3, 6-4の逆転で破り、「ATPマスターズ1000」初の決勝進出を果たした。また、ラッキールーザーが「ATPマスターズ1000」で決勝に駒を進めるのは初の快挙となった。

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今季序盤はチャレンジャー大会を主戦場にした33歳のシュトルフ。3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)で今年初のツアー大会に出場すると予選2試合を勝ち抜き本戦入りし初戦を突破。さらに4月のロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)ではA・デ ミノー(オーストラリア)やC・ルード(ノルウェー)らを下し、大会初の8強に駒を進めていた。

ムチュア・マドリッド・オープンに出場するのは今回が4度目であり、これまでは初戦突破が最高成績だった。今大会、予選第1シードで出場するも予選決勝で敗退。それでもラッキールーザーで本戦入りすると1回戦で世界ランク47位のL・ソネゴ(イタリア)、2回戦で第32シードのB・シェルトン(アメリカ)、3回戦で同40位のD・ラヨビッチ(セルビア)、4回戦で同67位のP・カチーン(アルゼンチン)、準々決勝で第4シードのS・チチパス(ギリシャ)を下し、4強入りを決めた。

今大会の予選決勝で敗れたカラツェフとの対戦となった準決勝の第1セット、シュトルフは第4ゲームで先にブレークに成功。ゲームカウント3-1とリードするも、そこから4ゲームを連取され、先行を許す。

それでも続く第2セットではファーストサービスが入ったときに94パーセントの高い確率でポイントを獲得。序盤で3ゲームを連取すると1度もブレークポイントを握られず、セットカウント1ー1に追いつく。

迎えたファイナルセット、第2ゲームで2度のブレークポイントを凌いだシュトルフは第5ゲームでブレークに成功。第9ゲームでは4度のマッチポイントとなるブレークポイントを活かせなかったものの、サービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲーム、最後はカラツェフのリターンがアウトととなり、2時間18分で勝利した。

男子プロテニス協会のATPは公式サイトにシュトルフのコメントを掲載し「驚くべきことだよ。こんなこと考えてなかった。2021年のBMWオープン(ドイツ/ミュンヘン、レッドクレー、ATP250)で1度決勝を戦ったけど、コロナウイルスのせいで観客はいなかった。今、僕はここにいるけど、(観客が)すごいことになっている。日曜日もすごいことになると思う。決勝に進出できてとてもうれしいし、今日勝ててとてもうれしい」と語った。

勝利したシュトルフは決勝戦、第1シードで昨年王者のC・アルカラス(スペイン)と対戦する。アルカラスは準決勝で第17シードのB・チョリッチ(クロアチア)を6-4, 6-3のストレートで下しての勝ち上がり。

なお、シュトルフとアルカラスは過去に2度対戦。初対決となった2021年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)ではシュトルフが6-4, 7-6 (7-3), 6-2のストレート勝ち、2度目の対戦となった昨年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)ではアルカラスが4-6, 7-5, 4-6, 7-6 (7-3), 6-4のフルセットで勝利している。

シュトルフはアルカラスとの決勝に向けて「昨年のウィンブルドンで素晴らしい試合をしたね。あと少しで勝てるというところまでいったけど、タイブレークで信じられないようなショットを決めてきた。でも、今回は違うだろうね。スペインのマドリッドでの試合。彼はスペインのクレーコートでは20戦全勝なので、とてもタフな戦いになると思う。でも、彼を倒して初タイトルを獲得するためにベストを尽くす」と述べている。



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