3月12日(日本時間13日)、昨季限りで引退したユドニス・ハズレム(元マイアミ・ヒート)、NBAで17シーズンをプレーしたシューターのマイク・ミラー(元メンフィス・グリズリーズほか)がホスト役を務めるポッドキャスト番組『The OG’s Podcast』の最新エピソードが公開された。

 今回ゲスト出演したのはジョン・ウォール。2010年のドラフトでワシントン・ウィザーズから全体1位指名されてNBAデビューを飾った191㎝・95㎏の司令塔は、13年間のキャリア(実働11年)でオールスターに5度も選ばれてきた。

 ウィザーズでプレーした9シーズンでは平均19.0点、4.3リバウンド、9.2アシスト、1.7スティール、通算でも平均18.7点、4.2リバウンド、8.9アシスト、1.6スティールの好成績でハズレム、ミラーよりも“格上の選手”と言っていいだろう。

 しかし、2018年の以降は相次ぐケガに見舞われ、2019−20シーズンは全休。ヒューストン・ロケッツへ移籍した2020−21シーズンに平均20.6点、6.9アシストを残したものの、翌年はチーム構想から外れて再び全休を強いられた。

 ロサンゼルス・クリッパーズに在籍した昨季は、34試合で平均11.4点、2.7リバウンド、5.2アシストをマーク。だがシーズン中に再びロケッツへトレードされると、すぐにウェイブ(保有権放棄)され、NBAの舞台から遠ざかることとなった。
  現在33歳のウォールは、昨年11月に『BASKET NEWS』のインタビューで「俺はゲームを愛している。今でも朝6時に起きてワークアウトをしているんだ。俺は(NBAへ)戻ることに専念している」と話しており、その思いは今も変わっていないという。

 ただ、NBAに復帰するにあたって自身の役割にはこだわっていないようだ。

「俺のなかで一番問題になっているのは、多く人たちが俺は群れの中心にいる男だと見ていることだと思う。けど俺からすれば、クリッパーズに移籍した時点でそんなことは気にしていなかった。

 みんなにはそのことをわかってほしいね。俺は以前みたいにオールスターとして平均20(点)と10(アシスト)を残すことにこだわっていない。今の俺は当時と同じ選手じゃないからね。でも20分で平均11(点)と7(アシスト)は残していた。だから俺は、今でも(NBAの)チームを助けられる気がしているんだ」

 新陳代謝の激しいNBAは、ウォールのような元オールスター選手だけでなく、ドラフト上位指名を受けた20代前半の若手であろうと容赦なくカットされてしまう厳しい世界。

 2023−24シーズンは終盤戦を迎えており、今季中にウォールがNBAチームと契約を結べるかは微妙。そのため、リーグに復帰するとなれば、各チームの今夏の動き次第となるだろう。

 自身の立場を理解し“ロールプレーヤー”の役割も受け入れる元オールスターのNBA復帰は実現するのか。今後の展開に注目していきたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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