F1第5戦の中国グランプリが開幕、4月19日にはフリー走行(FP1)および、今季初となるスプリントの予選が実施されている。

【関連記事】「最強のピットストップ見ちまった!」日本GP10位入賞の角田裕毅、ゴボウ抜き実現した“神業”に大反響「超グッジョブ!」
 コロナ禍によって5年ぶりの開催となった「上海インターナショナルサーキット」でのF1は、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅にとっては初めての体験。FP1では全ドライバーの中で最多となる27周回を重ね、全体12番手となる1分38秒006を計測したが、迎えたスプリント予選では最初のラウンド(SQ1)で1分37秒892に止まり、19番手で突破はならなかった。

 初日を終えた角田は、チームの公式サイト等を通して、「FP1の時から全体的にバランスとグリップ不足に苦労しました。スプリント予選でも色々と試しましたが、まとめることができませんでした。何が起こったのかは分かりませんが、今日は間違いなく簡単ではありませんでした」とネガティブに振り返り、以下のように続けている。

「天候や路面状況のせいではなく、単にそれ以上の成果を達成できなかっただけです。今季はここまで、これほど苦労したことはありません。不思議なことですが、まだセッションは残っているので、引き続きデータを収集していきます。明日の予選は非常に重要なので、それまでに何かを見つけられることを願っています。どうなるか見てみましょう」

 RBのレーシングディレクターであるアラン・パーメインは、チームや「VCARB01」のパフォーマンスについて「明らかに、我々にとって素晴らしい日ではなかったし、これまでの予選においてこの車で慣れ親しんできたものとは異なる結果だった。今朝の最初のセッションから明らかだったが、我々はスピード面で苦労していた」と評し、スプリントの後に許されているセットアップ変更で状況の改善を目指すと語った。

 各国メディアの報道を見ると、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「ユウキはSQ1敗退で非常にフラストレーションを溜めることとなった。この日本人ドライバーは、FP1の最初のラップ以来、決してVCARB01から良いフィーリングを得ることはなかった」と伝えている。
  一方、ポーランドのF1専門サイト『dziel-pasje』は、初日はFP1で9番手(25周回でベストタイムは1分37秒238)、スプリント予選ではSQ2進出で14番手につけたダニエル・リカルドとの比較に注目し、以下のように綴った。
 
「RBは金曜日のスプリント予選で目立った成績を残せなかったが、ドライバーの直接対決は興味深い形で終わっている。(SQ1で)リカルドは角田を0.571秒も上回ったが、今季ここまでの両者の結果を考慮すると、これは本当に驚くべき差だ。これにより、オーストラリア人はSQ2に進出し、日本人は最初のラウンドで敗退した」

 そして、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「RBにとって、スプリント予選は複雑なものとなった。リカルドは14番手という結果にもかかわらず、満足しているようだ。これは、良い感触が得られたのか、あるいはチームメイトより前につけたことが要因かもしれない。実際、角田はFP1から苦戦し、19番手に終わった。確かにリカルドは新しいシャシーを手に入れるべきだったが、それでも両者ともに、レース(スプリント)での挽回は容易ではないだろう」と、今後に向けて厳しい展望を示している。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】日本GP、角田裕毅が逆バンクで華麗なオーバーテイク!

【動画】RBの神業タイヤ交換! ライバル5台に競り勝ち、角田裕毅もチームに感謝

【動画】トップ10入りを懸けた最終アタック! 角田裕毅が渾身の走りでQ3進出