15日午後、名古屋市北区の中学校で起きた火事では、施錠されて火の気はないはずの部屋が燃えました。警察らが実況見分をして調べていますが、考えられる原因について専門家に聞きました。  15日に火災があった北区の北陵中学校。16日、警察と消防が火元となった3階の部屋を中心に実況見分を行いました。学校は臨時休校となり、生徒の姿はありません。

 出火したのは15日午後2時45分ごろで、教材室から火が出ているのを吹奏楽部の女子生徒が見つけました。校舎の窓からは、黒煙と炎が激しく噴き出し、ガラスも焼け落ちていました。  校内にいた生徒や教職員計約230人は校庭に避難しました。

 火元の部屋の隣にある教室にいた2年生の男子生徒(13)が煙を吸い、病院に運ばれましたが、現在は回復しています。 保護者: 「全然状況が分からなかったのですごく心配して。うちの子は室内の部活なので、荷物を置いたまま身ひとつで逃げてきたみたいな感じらしいですけど」 別の保護者: 「うちの子は今部活をやっていたから、あわてて飛んできたんですけど。外からしかわが子の無事はまだ見られていないので」  学校によりますと、15日は昼までに授業が終わり、出火当時は2年生と3年生が部活動を行っていました。  火元となった教材室は、学校の行事で使う備品や吹奏楽部の楽器などが置かれていました。

市立北陵中学校の丸山徹教頭: 「物が置いてあるところは施錠されている部屋になります。(Q.鍵を使わないと入れない?)基本的には職員が使う部屋ですから。(火の気は)一切ないものですからそれも調査をして、どういう風な原因でそうなったのか、ちょっと疑問に思うところです」  普段は施錠され、火の気になるようなものはなかったと話す学校側。長年、火災現場で指揮をとってきた元東京消防庁の佐藤康雄さんは、次のような可能性を指摘します。

元東京消防庁警防部長の佐藤康雄さん: 「学校火災の3割くらいは電気関係、配線も含めてそういったものからの出火もあると聞いています。資材や機材などを置いていたということで、普段はあまり人が通らない、しかも入れっぱなしということですと、昔から差していたコンセントがトラッキングでそこから出火したことも考えられると思います」  北陵中学校は約60年前に開校しました。火元となった教材室のある建物は、1983年に増築されたといいます。

 警察と消防は引き続き出火原因を調査しています。学校は17日から授業を再開する予定で、「生徒の心のケアに努めたい」としています。