引退式に臨んだパンサラッサ
引退式に臨んだパンサラッサ

 8日、中山競馬の最終レース終了後、昨年のジャパンC(12着)を最後にターフを去ったパンサラッサの引退式が行われた。

 本来ならば昨年12月23日に実施される予定だったが、体調面を考慮して延期となっていた。約2週間遅れで別れの場に姿を現した希代の快速馬。最後の雄姿を見届けようと、競馬場に残った約4000人のファンに別れを告げた。

 矢作調教師と池田康宏元厩務員に手綱を引かれて芝コースへ登場。「元気いっぱいですね。危険を感じるくらい(笑い)。元気でひと安心しました」(池田元厩務員)と体調不良による延期を感じさせないヤンチャぶりを見せつけた。「この馬が大逃げすればファンも喜んでくれたし、自分も競馬ファンの気持ちでうれしかった」と振り返った矢作調教師。パンサラッサを「努力の馬」と評し、「コントレイルが同期で横に天才がいたのですが、サラブレッドは努力ではなかなか素質にかなわない。それを克服してくれたのがこの馬」と馬自身の頑張りで手にした栄冠であることを強調した。

 10日には種牡馬として過ごす北海道新ひだか町・アロースタッドに到着予定。種牡馬として期待を問われると「イクイノックスの子供を負かしてほしいです」と話した矢作師の言葉にスタンドは大いに沸いた。

著者:東スポ競馬編集部