ケンタッキーダービーへと挑む坂井瑠星騎手とフォーエバーヤング(チャーチルダウンズ競馬場で=坂井騎手提供)
ケンタッキーダービーへと挑む坂井瑠星騎手とフォーエバーヤング(チャーチルダウンズ競馬場で=坂井騎手提供)

「スポーツの中で最も偉大な2分間」。そう称される米最高峰のレース、ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ競馬場)が日本時間5日7時57分にスタートする。今年はフォーエバーヤング、テーオーパスワードの日本馬2頭が歴史に名を刻むべく、爪を研いでいる。果たして偉業達成となるのか? 5連勝中のフォーエバーヤングに騎乗する坂井瑠星騎手を直撃した。

――無敗でケンタッキーダービーへ。改めてこの馬のすごさは?

 坂井 どんな条件でも負けないのがすごいと思う。精神的にもどっしりしていて乗りやすい。乗っている分にはまったく手のかからない馬。普通はなかなか順調にいかないものだけど、ここまですべて予定通りに来ている。まず無事にレースまで行くこと。そしてレースはいつも通り、この馬の力を信じて乗りたい。

――1週前追い切りに騎乗した感触は?

 坂井 騎乗した時はまだ疲れが抜け切れていなかったけど、サウジアラビア→ドバイと転戦して、アメリカでも長時間の検疫を経ている。疲れが出るのは当然のこと。それはわかって遠征しているし、調教は予定通りにこなしている。最終追いに騎乗した岡さんは「先週より良くなっている」と言っていた。何とか乗り越えてほしい。

――今年は第150回という節目の年。現地の雰囲気は?

 坂井 調教から多くの一般の方が入っていてメディアの数もこれまで行った海外と比べても多い。ルメール騎手にも「いい経験になる」と言ってもらえたし、実際、昨年現場にいたことは自分の中でも大きな財産になっている。昨年は行ったけど、出走はできなかった。そのリベンジもある。

――昨年は騎乗予定のコンティノアールが出走取り消し。騎乗はかなわなかった。客席からの印象は?

 坂井 まず、こんなに人が多いんだと思った。装鞍所から馬場入りする時も人がごった返しているし、レースは夕方くらいなんだけど、みんな酔っ払って大騒ぎしているんだよね。馬場入りの時には合唱もあって、日本とは全然違う。繊細な馬には厳しいと思う。

――最後に意気込みを

 坂井 早い時期からサウジ→ドバイ→ケンタッキーと海外を見据えてレースをしてきた。この馬とできることはすべてやってきたつもり。今回がその集大成になってほしい。

著者:三嶋 まりえ