ラテン語は、古代ローマで使われた言葉です。ラティウム地方という現在のイタリアの一地域のローカル言語に過ぎなかったこの言葉は、古代ローマがヨーロッパ世界の覇権を握ったことで、今も欧米を中心とした世界中にその痕跡を残しています。本稿では、『世界はラテン語でできている』より一部抜粋・再構成のうえ、ラテン語由来の固有名詞の例を紹介していきます。

商品名や社名の元になっているラテン語

世の中を見渡してみると、実は社名や商品名にラテン語があふれていることが分かります。たとえばフリマアプリの「メルカリ」はラテン語で「取引する(mercari)」という意味です。サービスの内容にぴったり合ったネーミングです。

また、海外のPCメーカーのAcer(エイサー)は、ラテン語で「鋭い」という意味です。つまり、日本の家電メーカーのSHARPと意味が共通しています。

ここまでの例はラテン語をそのまま使ったものですが、少し変えている例もあります。たとえば教育事業を展開しているベネッセ(Benesse)の名前は、ラテン語のbene「良く、適切に」とesse「ある、〜である」を組み合わせたものです(ベネッセの公式の発信では、esseの意味を「生きる」としています)。