次は車名を見てみましょう。こちらもラテン語由来のものが数多くあります。

たとえばトヨタの「プリウス」はラテン語で「より前面の、より優れた」という意味を持つpriusが元になっており、その他にも「イプサム」は「それ自身(ipsum)」、「スープラ」は「上に(supra)」という意味です。supraは、英語のsuper-「超」の語源になっています。

ミシュランのマスコットにもラテン語の影響が

車関係でもう一つ付け加えたいのが、タイヤメーカーのミシュランのマスコットである「ビバンダム(Bibendum)」です。よく知られる「ミシュランマン」の呼び名は通称です。

ビバンダムの名前の由来は、ミシュランの初期のポスターに、タイヤのキャラクターともにラテン語でnunc est bibendum「今こそ飲むべし」と書かれていたことです。

1898年のミシュランのポスター

加えてポスターにはフランス語で「乾杯!ミシュランタイヤは路上の障害物を飲み込みます」とも書かれています。つまり、タイヤが路上にある障害物を踏んでも衝撃を吸収するという広告訴求に、「飲む」から連想してnunc est bibendum「今こそ飲むべし」というラテン語のフレーズをつけているのです。