また、埼玉県の埼玉スタジアムに近いところにあるウニクス浦和美園の名前は、ラテン語で「唯一の(unicus)」という意味です。

unicusは英語のunique「唯一の」や日本語の「ユニーク」の語源になっています。uni-は「1」を指し、unicycle「一輪車」など、広く使われています。

まだまだあるラテン語由来の施設名

他にも、北海道の新千歳空港にあるホール「ポルトムホール」はラテン語のPortus Omnibus(ポルトゥス・オムニブス)が元になっており、これは「全ての人たちのための港」という意味です。

omnibusというラテン語は、現代語においてもそのまま「全ての人たちのための」という意味で使われています。乗り物の「バス」もフランスで用いられはじめたvoiture omnibus「全ての人たちのための車」という表現が元になっています。そしてこれがbusと略されたのです。

omnibus「全ての人たちのための」という単語は、もう少し詳しく解説するとomnes「全ての人たち」に語尾がついて「全ての人たちのための」という意味になったものです。つまり、bus「バス」は元々は格変化語尾であり、単語の主要な意味には関係がないのです。

ここで紹介した以外にも、そして私が把握している以外にも、日本中にラテン語由来の施設名があります。お近くで気になった洋風の名前があれば、ぜひ成り立ちを調べてみてください。

著者:ラテン語さん