緩み防止効果が非常に高い「緩まないねじ」が技術的に評価され、日本機械学会の最高賞を受賞しました。
作ったのは従業員65人の町工場です。
IHI、三菱重工業、川崎重工業といった大手企業の様々な開発と並んで日本機械学会賞(技術)を受賞したのは従業員65人の町工場、山梨県大月市のニッセーです。
独自技術で生み出した「緩まないねじと量産用金型の開発」で表彰されました。
「緩まないねじ」PLBv2(パーフェクト ロック ボルト バージョン2)は2つのナットで締めるダブルナットですが、1つのボルトに2種類のねじ山が作られています。
外側のナットは1回転で進む幅が狭いねじ山をたどり、内側のナットは進む幅が広いねじ山をたどります。
このため、緩もうとすると動きが速い内側のナットが遅い外側のナットに接触してブロックされてしまい、緩まない構造となっています。
精密な加工が必要なため、これまで量産は困難でした。
しかし、ニッセーは金属を削るのではなく、転がしながら強い力を加えて形を作る転造で量産する技術を開発しました。
ニッセーは独自の技術力で精密な金型の製作に成功したのです。
18日、日本機械学会賞が開発にあたったニッセーの開発担当者や大学教授に贈られました。
ニッセー 新仏利仲会長:
「大企業と同等に私たちの技術が表彰され名誉なことと思います。世界に発信して日本の機械の凄さを見せていきたい」
ニッセー 開発担当 天野秀一さん:
「加工機メーカーに『それはできない』と言われたが、自らソフト開発を重ねて金型の開発を達成できたことが、この賞に繋がっている」
ニッセーは今後、国内外でライセンス生産を目指すことにしています。