日本でかつて「ハイラックスサーフ」という車名で販売されていたミドルサイズSUVが「4ランナー」です。その4ランナーがフルモデルチェンジ、6代目となる新型が米国で発表されました。どのように進化したのでしょうか。

米国で人気のミドルサイズSUVがフルモデルチェンジ

 トヨタの米国法人は2024年4月9日、新型「4Runner(4ランナー)」を世界初公開しました。

 4ランナーは、1984年に登場したミドルサイズのSUVです。日本国内では「ハイラックスサーフ」として、2009年まで販売されていました。

 米国市場を中心に人気のあるモデルで、発売以来40年間で300万台以上が販売されたといいます。

 今回フルモデルチェンジされ世界初公開された新型4ランナーは、6世代目のモデルです。

 新型4ランナーは「TNGA-F」を採用。このプラットフォームは高強度のボックス型スチールラダーフレームを採用し、フロント:ダブルウイッシュボーン、リア:マルチリンクサスペンションを備えています。「タコマ」「タンドラ」「セコイア」という日本未発売のSUV/ピックアップトラックにも採用されるプラットフォームです。

 このプラットフォームの採用により、ボディ剛性が高くなっただけでなく、オンロードでの乗り心地なども向上したといいます。

 パワートレインは、最高出力278馬力・最大トルク317lb.-ft(約430Nm)を発揮する2.4リッターi-FORCEターボエンジン、または最高出力326馬力・最大トルク465lb.-ft(約630Nm)を発生するi-FORCE MAX ハイブリッドの2種類を用意します。

 組み合わせるトランスミッションは、どちらも8速ATです。また駆動方式は標準でパートタイム4WD、上位グレードではフルタイム4WDとなっています。

 マルチテレイン セレクトシステムは、4WD-Highと4WD-Lowの両方で機能するようになりました。これにより、泥、土、砂などのさまざまな地形でホイールのスピンを制御するための調整可能な設定が提供されます。

 新型4ランナーは「SR5」、「TRD スポーツ」、「TRDスポーツ プレミアム」、「リミテッド」、「プラチナム」、「TRD オフロード」、「TRD オフロード プレミアム」、「トレイルハンター」、「TRD Pro」の9つのグレードから選択可能。トヨタが米国で展開するクルマの中でももっとも多様なラインナップを備えているといいます。

3列7人乗りも用意するオフローダーSUV

 新型4ランナーは、ミシガン州に本拠を置く「CALTY」デザインチームがデザインを主導。2023年に登場した新型「タコマ」と並行して設計されました。

米国で初公開されたトヨタ新型「4ランナー」のインテリア

 スクエアなボディは初代/2代目の4ランナーからインスピレーションを受けてデザインされ、デザイナーは伝統的な「ラップオーバー」クォーターガラスを復活させています。

 インテリアは、機能的かつ目を引くデザイン。外観同様直線を多用したタフな印象です。乗車定員は基本的には2列5名乗りですが、一部グレードでは3列シートを設定可能で、7名乗車が可能です。

 トヨタの北米法人で副社長兼ゼネラルマネージャーを務めるデイブ・クライスト氏は、新型4ランナーについて以下のようにコメントしています。

「この新型4ランナーは、私たちのトラックファミリーの物語を見事に締めくくる、驚くべき多用途性と機能を備えています。この第6世代モデルは、クールで新しい外観と驚くべき機能を備えていますが、お客様に愛されている頑丈なスタイルと機能を維持しています」
 
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 新型4ランナーは日本のトヨタ田原工場で生産され、2024年秋に米国で販売される予定です。