新入社員の壁!1台も車が売れないカーディーラー「軽トラで試乗にきた老人」を無視したら、同期が3台契約!?実は大富豪だった【作者に聞いた】
■「売りたい!」熱意が暴走して、お客の顔が見えていなかった
本作を描くにあたり、実際にディーラーの皆さんに仕事の裏側を取材をしたというみこまるさん。「取材前にアンケートを取らせてもらいました。エピソードを聞いて、日々さまざまな場面に出くわしているのだなぁ、と実感しました。もちろんいい話だけじゃなくて、困ったお客さんやトラブル話もたくさんありましたが、お客さんの数だけいろいろなエピソードがあっておもしろいなと思いました」(みこまる)
カーディーラーの新人営業マン・田端。入社してまだ1台も車が売れていないのは、彼だけだ。売りたいという気持ちばかりが先行して、肝心の「お客様の心」を掴めていない。子ども連れの夫婦を待たせて見積書を作ってしまったり、軽トラで試乗にきたお客を「購入する気がない」と判断して同僚に回したりと、自分の気持ちばかりを優先させている。
農作業用の軽トラで試乗にきたお客の話は、実話のエピソードを参考にしているとか。「これは取材先の店長のエピソードでした。軽トラのおじいさんは見た目とは裏腹に、それはそれは豪邸にお住まいだったそうですよ」(みこまる)。泥だらけでただの農家のおじいさんにしか見えなかった田端は、忙しさを理由に試乗を同僚に依頼。偏見を持たずに接客をした同僚は、その日に3台の契約にこぎつけた。
本作は売れない新人カーディーラーの田端の成長物語。「連載が1カ月毎でした。なので時間が空いても、初めて見る人でも楽しめるように、毎回読み切りのようにすれば描きやすいかなと思いました」と少しずつ成長していく田端を描く。人気の同僚、クールな先輩、トップディーラー、整備士、店長そしてお客様ーー。多くの人と触れ合うことで田端は「仕事とは何か?」「売るとは何か?」販売の大切なことを見つけていく。
取材協力:みこまる(@micomalu)