2025/3/24 14:12

【重症の場合は突然死につながる】1時間に一度はかかとの上下運動を30回程度…

人影

狭い座席に座りっぱなしは、最悪の場合、下肢の違和感が呼吸困難を招いてしまうかもしれないという。

エコノミークラス症候群。通名を誰もが一度は耳にしたことがあるはずだが、正式な病名や症状を説明できる人は少ないと思われる。

「車中などの狭い空間で長時間にわたり同じ姿勢を続けてしまうと、脚の深部にある静脈に血栓(血のかたまり)ができてしまうことがあります。それが血液の流れのままに体の中を上昇し、ゴールに位置する心臓の手前、肺の毛細血管を閉塞させてしまう可能性があるのです。脚にできた血栓が肺に詰まると、酸素の取り込みが阻害され、胸痛、呼吸困難、失神などの症状が現れます。この『深部静脈血栓症』と『肺塞栓症』が続けて起こることをエコノミークラス症候群と呼びます。重症の場合は突然死につながる侮れない疾患です」(福岡県宗像市にある「林外科・内科クリニック」の林裕章理事長)

なんと、脳卒中や心不全と並列する「三大致死的な循環器系疾患」だといい、

「ふくらはぎや脚の表面にある静脈に血栓ができても大きな問題にはなりにくいのですが、下腹部、太もも、膝の中心を走る深部静脈に血栓ができると重症化しやすい」

とのこと。

症状は、主に片方の脚のみに現れることが多いようで、

「発赤、腫脹、痛みなどの症状が現れます。この時点で医療機関を受診する必要があります。ちなみに混同されがちなのが、運動による脚のむくみ。たまのジョギングで太ももやふくらはぎがパンパンに張るのは乳酸が原因です。筋肉が疲労することにより血流が滞り、水分が脚の組織に溜まりやすくなります。いずれも、血流にかかわる問題ですが、メカニズムは大きく異なります」

という。

どのぐらいの時間を同じ姿勢でいると発症リスクが上がるのだろうか?

「4時間以上座ったまま動かないのは危険です。リスクが通常の2倍に跳ね上がります。飛行機や夜行バスの利用者は、合間に足の指をこまめに動かしたり、1時間に一度はかかとの上下運動を30回程度したりと、同じ姿勢でいないように努めましょう。ゆったりした服装も効果的です」

また、災害時にも用心を怠ってはならないようで、

「東日本大震災や熊本地震における避難所や車中泊で多くの人が発症したケースが報告されています。長時間座ったり、横になったままでいたりしたのが原因のようです。特に『抗凝固剤』の服用ができなくなった高齢者は注意が必要です」

とのこと。

日常生活の中にも危険因子は潜んでおり、

「長時間のデスクワークや長距離のドライブでも休憩を挟むようにしてください。長時間の会議や映画鑑賞も同様です。脚の痛みやむくみを感じて医療機関で検査をしたら『深部静脈血栓症』だったというケースはままあります。特に食事や飲み物を補給せずにぶっ通しでやりがちな人は注意が必要。水分不足によって血液が濃くなり、血栓ができやすい状態になってしまいます」

という。「アサ芸ビズ」が報じている。

健康宅配チェックシート〈エコノミークラス症候群〉脳卒中、心不全と並ぶ「三大致死的疾患」だ  |  Asagei Biz-アサ芸ビズ健康宅配チェックシート〈エコノミークラス症候群〉脳卒中、心不全と並ぶ「三大致死的疾患」だ | Asagei Biz-アサ芸ビズ

編集者:いまトピ編集部