2025/4/8 20:07

『春ドラマ』初回6.5%『TVer』4日までに100万回再生を突破

驚き

4月8日午後10時から第2話が放送予定の多部未華子主演『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)。初回の放送後、ネット上で「多部ちゃんがさらにかわいくなってる」「ママあるあるがリアルだった」などとさまざまな反応が見られたが、中には「容赦なく心をえぐってくるドラマ」と悲鳴も目立った。

2018年刊行の小説『対岸の家事』(講談社)を原作とする同ドラマは、専業主婦や働くママ、育休中のエリート官僚など、さまざまな価値観を持つ親が出会い、ぶつかり合いながらもつながっていく物語。多部は育児と家事に奮闘する専業主婦の主人公・村上詩穂を演じており、その夫を一ノ瀬ワタルが演じている。

※以下、『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』第1話のネタバレを含みます。


初回では、過去のある経験から「自分は2つのことが同時にできない」と感じて自ら専業主婦の道を選んだものの、幼い苺(永井花奈)としか関わらない毎日に孤独を感じる詩穂と、仕事と育児の両立が思うようにできず苛立ちが隠せないワーキングマザー・礼子(江口のりこ)が登場。

3人が出会った当初は、詩穂のことを「時流に乗り遅れた絶滅危惧種」と蔑んでいた礼子だが、その数年後、忙しさから心の糸が切れてしまい、屋上の柵に手をかけるまで精神的に追い込まれてしまう。しかし、そんな礼子を詩穂が助け、友情が生まれるのだった――。

登場人物と自身の状況と重ねた視聴者も多かったようで、ネット上では「対岸の家事、リアルすぎてエグ!号泣しちゃった」「今まで平気なフリしてきたのに、これは心えぐられるな……ドラマ見たせいで会社やめたくなった」といった声が上がることに。

一方、「私、専業主婦だけど、なんであんな暇そうに描かれるの? 作り置きおかずとか作る時間ないし」「主人公が『時間だけはたっぷりある』とか言ってたけど、『専業主婦=暇』って思われるのは心外」などと不満げな声も散見された。

また、TVerでは4日までに100万回再生を突破。その後も再生ランキングで上位をキープしており、SNS上で口コミが広がっている様子もうかがえる。この大きな反響の理由について、ドラマライターの北村有氏が語る。

「原作をはじめ多部さんや江口さんの演技が素晴らしいのはもちろんですが、女性同士の対立構造そのものについて、かつ『構造が生まれてしまう社会のあり方』について、これまであったようでなかったタッチで描かれているからではないでしょうか。ざっくばらんに言えば、初回では『専業主婦VSワーママ』といった対立構造を見せて視聴者を引き寄せ、しかし、こういった対立は当人たちに問題があるのではなく、そうさせている社会の仕組みが背景にあるんだよね、ということを自然に問題提起する流れになっています。

現役の専業主婦からしたら『育児・家事と仕事を両立すると決めたのはそっちでしょ』と思うし、ワーママからしたら『家のことに集中できる環境でいいですね』と皮肉も言いたくもなる。しかしこれは、子どものいる家庭に必要な福祉が整えられていれば生まれない分断です。詩穂と礼子は、最初の接触で仲違いしかけてしまいますが、のちにお互いの胸中を開き、本音で対話することで歩み寄りを見せます。やはり重要な解決策となるのは『適度な距離感と対話』なのだということを、あらためて示してくれる作品なのだと思います」

そんな同ドラマはキャスティングも好評のようで、早くも「多部ちゃんの当たり役」との呼び声も高い。前出の北村氏が話す。

「多部さん演じる詩穂は、実直で素直でナチュラル。詩穂が専業主婦を選んだのも、夫や子どものためというよりは『同時に2つのことはできない、不器用な自分のため』で、その判断基準がなんとも自然で嘘がなく好感が持てます。多部さんに対する好感度やパブリックイメージが、そのまま詩穂の人柄にも違和感なく反映されている印象です。

多部さんといえば、近年だと『マイファミリー』(TBS系)『いちばんすきな花』(フジテレビ系)などが印象深いですね。どちらも少し自罰的なキャラクターで、人によっては賛否両論が生まれそうな役柄でしたが、曖昧なニュアンスを出すのにも長けている多部さんだからこそ、奥行きのある人物造形になったように感じます。そういう、人が本来持ち得る深み、度量の広さみたいなものが詩穂にも感じられるから、江口のりこさん演じる礼子も本音を打ち明けられたのではないでしょうか」

なお、初回は平均世帯視聴率6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人3.9%を記録。同枠で前クールに放送された芳根京子主演『まどか26歳、研修医やってます!』の初回5.9%、個人3.4%を上回っており、今後さらなる伸びが期待される。

第2話では、育休を取得している厚生労働省の官僚(ディーン・フジオカ)が主人公の前に立ちはだかるという『対岸の家事』。初回は大反響だったが、春ドラマにおける台風の目となるか?とサイゾーウーマンは報じている。

『対岸の家事』初回視聴率6.5%で『まどか26歳』超え、リアルさに「心えぐられる」「会社やめたい」と悲鳴も(2025/04/08 15:00)|サイゾーウーマン『対岸の家事』初回視聴率6.5%で『まどか26歳』超え、リアルさに「心えぐられる」「会社やめたい」と悲鳴も(2025/04/08 15:00)|サイゾーウーマン

編集者:いまトピ編集部