閉店ラッシュ『スーパー』182店舗→92店舗「新鮮さも品揃えも突出」現在の姿の驚くのでは

昨年、閉店ラッシュで話題を集めたイトーヨーカドー。最盛期の2016年2月末には182店舗ありましたが、北海道・東北・信越地方から撤退、大幅に店舗数を減らしたことで、現在は関東圏を中心に92店舗となっています。
2025年2月期第3四半期(2024年3月~5月)の決算では、営業赤字6億6200万円を計上するなど、スーパーストア事業は赤字が続いていましたが、25年からは既存店の月次売上高が前年比で増加に転じ、2026年度2月期第1四半期(2025年3月~5月)の決算では、営業黒字53億7,500万円を計上しています。前年まで月次でもマイナスが続いていたところ、いよいよ風向きが変わってきたようです。
親会社であるセブン&アイ・ホールディングスは、24年10月にイトーヨーカ堂などスーパーストア事業を統括する中間持ち株会社「ヨーク・ホールディングス」を設立。スーパーストア事業としては、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、ヨークフーズなどで約450店舗(2025年7月末時点)を擁します。
ネガティブなニュースが続いていた昨年までと打って変わって、好調ムードのヨーカドー。利用している筆者も、最近は買い物が楽しくなったと感じています。
では、この1年でいったい何が変わったのか? 中でも気になる食品売場について、ヨーカドーの担当者の方々から実際にお話を聞いてきました。
ポイント①惣菜売り場が変わった!
スーパーの花形部門といえる「惣菜売り場」。ヨーカドーでは25年3月から5月までの惣菜売上高が前年比で105%(既存店)と好調です。
実際に土曜日に売り場を訪れると、昼前には売り切れているお弁当があり、人気の高さに驚きます。
「銀鮭塩焼きのり弁」538円は、精米、ブレンド、炊飯にこだわった老舗米屋「八代目儀兵衛」監修の白米を使っていることで、高い支持を集めているんだそう。
この八代目儀兵衛監修シリーズは24年5月から始まり、丸1年を迎えます。
ポイント②プライベートブランドが変わった!
近頃、ヨーカドーの売り場で目に付くのが、「セブン・ザ・プライス」。サプライチェーンの見直しや商品をシンプルにすることで、コスト削減を実現しておりシンプルなパッケージと手頃な価格が特徴のPBです。
この「セブン・ザ・プライス」、24年度の売上は前年比のなんと2倍! 人気の理由はずばり「低価格路線」。
実は21年7月にヨーカドーオリジナルで誕生したPBで、当初は11アイテムでスタート。セブンプレミアムの影に隠れた存在でしたが、25年4月時点で、242アイテムまで拡大しており、これが大好評!
「セブン・ザ・プライス」が加わったことで、松竹梅でいうと「松」にあたるセブンプレミアムゴールド、「竹」のセブンプレミアム、そして「梅」にセブンザ・プライスがあてはまり、3つの価格帯でさまざまな商品を選べます。
ポイント③鮮魚売り場
取材に訪れた土曜の午前中、店内でひときわ賑わっていたのが鮮魚売り場。月に一度の「豊洲市場直送」の鮮魚が並ぶ日でした。
売り場を覗くと、ラインアップの豊富さにビックリ! 同様のイベントを行うスーパーも数多いですが、ヨーカドー木場店は豊洲市場と目と鼻の先とあってか、新鮮さも品揃えも突出しています。
今回、売上高が好調の理由を探る中で、惣菜のテコ入れ、PBの拡充がこの1年で行われ、さらにワクワクするイベントも登場していたことがわかりました。
ヨーカドーといえば、「商品は良質だけど割高感がある」といった声もありますが、セブン・ザ・プライスの強化によって、そのイメージも刷新されそうです。
ここ数年、ヨーカドーの食品売り場に足を運んでいないという人こそ、現在の姿の驚くのでは? これからの動向にも注目ですねと「スーパーマーケットファン」は報じている。
編集者:いまトピ編集部