カジュアルな服は、ある程度サマになっていればOKだが、トラディショナルな服は、正しい知識をもって正しく着ることが大前提となる。中でももはやビジネスシーンだけではなく、カジュアルスタイルにも取り入れることが当たり前になりつつあるタイは、着こなしの印象を一気にトラッドにしてくれるマストアイテム。素材や結び方などの正しい知識を得ることで、タイを結ぶことがもっと楽しくなるはず!

1万1000円/Pt.アルフレッド(TEL03-3477-7952)

1.レップ

横方向に畝のある織物の総称。畝がやや太く、柔らかな印象を生む。シワになりにくく、タイの一般的な織り方として浸透している。大半はシルク糸を使用。

2.レジメンタル

元々は英国の海兵隊や空軍の制服であったレジメンタルは今やタイの最もポピュラーな柄。ストライプが右肩上がりに走るのが「英国式」、反対が「米国式」。

3.セッテピエゲ

通常の約2倍の大きさの生地を7つに折って作るタイの縫製の中でも最高級とされる手法。イタリア語で7つ折りの意味。

最大の特徴は芯地を使用していないこと。生地が柔らかく立体感があるためVゾーンに高級感を与えてくれる。

4.さまざまな形状

ひと口にタイと言っても様々な形状のものがある。その日の気分やコーディネイトとのバランスを考えて、適切なデザインのものを選びたいものだ。

ダービータイ

先端が剣先のようにとがった結び下げ式のタイ。いわゆる最も一般的なタイの形状で、無地やレジメンタル、ドットなど様々な柄のものが存在する。また、別名「フォアインハンド」とも呼ばれる。

スクエアタイ

剣先が水平にカットされた形状のタイ。一般的な織りのタイやプリントタイなどにも稀に見られるが、そのほとんどがニットタイである。こちらは無地やレジメンタル、ボーダーのデザインが多い。

ボウタイ

日本語でいうところの蝶ネクタイ。元々はタキシードや燕尾服などのフォーマルなスタイルの時に身につけるものだったが、カジュアルスタイルで使用しても問題なし。

5.アクセサリー

タイを結ぶだけでも十分な存在感があるが、さらに特別なVゾーンを構築したい場合はアクセサリーという選択肢もある。

タイバー

タイとシャツをクリップのように挟み込んで固定する。クラシックなムードを演出。

カラーピン

文字通り襟に刺すピン。ノットを持ち上げることでVゾーンに奥行きをもたらす。

6.タイの結び方

最もベーシックなプレーンノットはもちろんのこと、タイの結び方は是が非でも知っておきたい。また、男の嗜みとしてボウタイを結べるようになるべきだ。

プレーンノット|いまさら聞けない! 最もベーシックな結び方

必ず知っておきたい基本的な結び方。ノットが小さく、フォーマルシーンにも適している。襟の開きが65〜90度くらいのシャツにオススメ。

まずは大剣を上に、長めにとりながら、小剣をクロスさせる。長さのバランスが実は意外と難しい。

小剣を中心として結び目を意識しながら、大剣を持って小剣の周りを1周させる。

結び目を意識しながら、大剣をループを通すように上へと引き上げる。

上に引き上げた大剣を結び目に向かっておろす。この時も結び目が乱れないように意識することが大切である。

小剣に巻くことでできたノットの結び目部分におろしてきた大剣を通して完成!

セミウィンザーノット|大きめのノットがVゾーンのアクセントに

やや大きなノットに仕上がり、誠実な印象を与える。襟の開きが100〜130度くらいのセミワイドや180度に近いワイドカラーと好相性。

後の工程で必要になるため、プレーンノットよりもやや長めに大剣をとりながら、小剣の上に重ねる。

大剣を小剣の下に通したあと、首元のループに上から巻き付ける。この工程によりノットがやや大きくなる。

大剣を下に引っ張りながら結び目をしっかりと固定。おろした大剣を小剣の上に重ねる。

大剣を再度、首元のループを通すように引き上げる。結び目が崩れないように注意が必要。

引き上げた大剣を下におろしながら、ノットの結び目に通し、形を整えれば完成!

ウィンザーノット|圧倒的なボリューム感のクラシカルな結び方

大きく美しい三角形で威厳のある印象的な首元を演出。20世紀最大のウェルドレッサーとも称されるウィンザー公が考案したとされている。

大剣の上に小剣を重ねる。この時、セミウィンザーノットよりもさらに大剣を長めにとる。

大剣を首元のループに通すように引き上げる。そのままノットを意識して、巻き付けるようにして下におろす。

おろしてきた大剣を、小剣の下を通すように重ねる。その際ノットとなる結び目の位置を定めながら固定。

大剣を再度首元のループに通して巻き付ける。しっかりと下に引っ張るべし。

三角形を作ることを意識し、再度、大剣を首元のループに通すように引き上げる。

引き上げた大剣をおろし、首元の結び目に通してギュッと締めれば完成!

バタフライノット|紳士たるものボウタイの結び方を心得よ

一見、結び方が難しそうなボウタイも、意外と簡単に結べるもの。手結びならではの表情のある結び目がコーディネイトのアクセントに。

剣同士をクロスさせ重ねる。その際に上になった側の剣を長めにとることがポイント。

上の剣をループに下から通す。下の剣は最終形の羽の大きさになる位置で点線の下側を山折、上側を谷折に。

下の剣を中央に、上の剣をまっすぐ重ねる。剣同士が重なった部分が最終形の結び目に。

上に重なった剣を最終形の羽の大きさで山折に折りながら、角を結び目の裏へとまわす。

先ほど折り曲げた角を結び目の裏にのループに通し、その角が最終形の羽の形になる。

(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)

著者:2nd 編集部