ゴルフには激しい動きが必要ないため生涯プレーできるスポーツと人気ですが、50歳や60歳になってから始めても上達できるのでしょうか。100切りレベルにとどまらず70台や80台を目指す場合、どのくらい練習をすればよいのでしょうか。

ゴルフは歳をとってからでも上達できる

 ゴルフは野球やサッカーのように激しい動きはほとんどありません。そのため、歳をとっても続けられるスポーツとして人気があります。ツアーで活躍するプロの多くはジュニアのころから技術を磨いていますが、50歳や60歳からゴルフを始めても上達できるのでしょうか。

ゴルフは歳をとってからでも上達できる? 写真:AC
ゴルフは歳をとってからでも上達できる? 写真:AC

 現役のシニアツアープロでゴルフスクールを経営する梶川武志プロは「ゴルフは歳をとってからでも上達できる」と断言します。

「私のスクールに通う生徒の多くは40代以上で、会社を定年退職してから夫婦で入会される方もいます。ゴルフ経験者が多いですが、中にはこれからゴルフを始めるというビギナーもたくさんいます」

「歳をとってからゴルフを始めた人は、若い人と比べ上達スピードは遅い傾向がありますが、それは体の反応が鈍っているためで仕方のないことです。しかし、若い人に比べ粘り強く練習できる人が多いです」

「それは、老後の趣味や体力維持のために自分でゴルフを選択しているからだと思います。若い人は仕事上の付き合いでゴルフを始めるケースがありますが、仕方なくゴルフを始めた人は長続きしないことが多いです」

 ゴルフを始めるのであれば年齢に関係なく、上達していいスコアで回りたいと思うのは当然です。しかし、歳をとってから始めても100切りレベルにとどまらず、80台や70台を出すことはできるのでしょうか。梶川プロは「その可能性は十分にある」といいます。

「なぜなら、ゴルフのプレーにはショット、アプローチ、パッティングなど様々な要素があり、その中から得意分野ができてくればスコアは大幅にアップします。例えば、力の弱い小学生でも70台や80台を出している子はたくさんいます。飛距離はさほど出なくても、確実にフェアウェイに飛ばして、正確なアプローチでピンに寄せて、ミスのないパッティングをしているからです」

「スコアを伸ばしたければパワーよりも正確性の方が重要です。つまり、飛距離は筋力や体力による影響が少ないアプローチやパッティングなどで補えるのです」

70〜80台で回るためにはそれなりの練習が必要

 一方で、70〜80台で回るためには「それなりの練習をしていることが絶対条件です。個人差はありますが、週1回の練習と月1回のラウンドでは100切りも難しいかもしれません」と梶川プロは指摘します。となると、練習時間を多くとれない働き盛りの40〜50代は上達することが難しいのでしょうか。

「練習場やコースに行けなくても自宅でできる練習はあります。毎日素振りをするだけでもいいです。素振りをするスペースがなければ、クラブを短くもって室内でシャドウスイングをするだけでも効果があります。シャドウスイングとは30秒程度かけてゆっくりと素振りをする方法です」

「パットも自宅で練習できます。毎日、ボールを真っすぐ転がす練習をしておれば、コースでもその努力が成果に現れるはずです」

 ゴルフは激しい動きを必要としないので歳をとってからでも始められ、どんなレベルでも上達する楽しみを味わうことができます。ただし、70台や80台で回りたいとなると、やはりそれなりの練習量が必要。自分なりに無理のない範囲で目標を作って取り組んでいけば、いつまでも挑戦意欲をもってゴルフライフを送れるかもしれません。

ピーコックブルー