ラウンド仲間を募ったり練習風景をアップしたりと、SNSやYouTubeとゴルフの関係性が近年は特に密接なものになっています。では、ゴルフ場の許可を得ずにプレーをしている様子を動画で撮影するのは大丈夫なのでしょうか。

スマートフォンなどの簡易的な撮影であれば基本はOK

 X(旧ツイッター)やフェイスブック、インスタグラムなど最近では多くの人が何らかのSNSを利用しているだけでなく、YouTubeのような動画投稿サイトも誰もが気軽に閲覧したり自身のチャンネルを開設できたりと、現代人の生活ツールとして欠かせないものになりつつあります。

写真がOKなら動画も問題ない? 写真:AC
写真がOKなら動画も問題ない? 写真:AC

 SNSや動画投稿サイトとゴルフは意外にも大きな関係性を持っていて、ラウンド仲間を募集したり練習風景をアップしたりとさまざまな場面でも活用されていますが、プレー中の動画撮影はゴルフ場の許可なく行ってもOKなのでしょうか。

 ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「一般のエンジョイゴルファーが、SNSやYouTubeなどにプレーをしている様子をアップするぶんには、ゴルフ場の許可なしに撮影をすることは基本的に問題ありません。近年はゴルフをしている姿をSNSにアップする若い女性も増えてきているので、PRのために『写真や動画をどんどん投稿してほしい』としていたり、中は宣伝をするとプレー料金の割引をしているゴルフ場も存在します」

「しかし、ビデオカメラやマイクのような撮影・録音機材で本格的かつ大がかりなものを使用するとなると話は別です。準備や片づけにも当然時間がかかってしまいますし、後続組が次々とやってくる以上、スロープレーに陥るようなことがあってはなりません」

「撮影をする場合は、スマートフォンなど簡単かつスピーディーに行えるようなもので実施するのが無難だと思います。また、撮影をしながらラウンドを進めていると、映像をチェックしたりとプレースピードも遅くなりがちなので、いつもよりキビキビと動く心がけも重要です」

 なお、いわゆる『関東七倶楽部』をはじめとした名門コースの場合はテレビ取材もなかなか行われないことから、クラブハウスからコースまでほぼ全域が撮影禁止となっているところもあります。

他者の映り込みや危険なショットは避けるべき

むちゃな状況での撮影は思わぬ事故の原因にも 写真:AC
むちゃな状況での撮影は思わぬ事故の原因にも 写真:AC

 では、プレー中の動画撮影でそのほかにも注意すべき点としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。全国でゴルフ場を運営する東急リゾーツ&ステイの広報担当者は以下のように話します。

「弊社のゴルフ場でも一般のゴルファーがプレーする際には特に規制を行っていないので、許可を得ずとも撮影することは認められています。スロープレー以外で注意してほしいポイントとしては、関係のないほかの組のお客さまが映り込むと思わぬトラブルに発展してしまう可能性があるため、画角にも留意しておくといいと思います」

「また、最近では迫力のある映像を撮影するのにドローンが用いられるケースもよくありますが、安全性や騒音の観点からゴルフ場では使用しないでいただきたいです」

 さらに、より面白い映像を撮影しようとむちゃな位置からバンカーショットを試みたり、池からの「ウォーターショット」のようなチャレンジングなショットを行ったりすると、縁の部分が衝撃で崩れる可能性があるだけでなく、大きなケガにつながる恐れもあります。

 ゴルフ場はあくまでゴルフをプレーするための場所です。ゴルファーとして最低限のルールやマナーを守ることは大前提で、撮影を行う際はプレーヤーも撮影者も安全面に留意して臨む意識を絶対に忘れてはいけません。

ピーコックブルー