岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦。4台のZ GT500で戦う日産陣営の最高位は、23号車MOTUL AUTECH Zの5位だった。

 23号車は予選Q1で千代勝正がトップタイムを記録。しかしQ2ではロニー・クインタレッリのタイムが伸びず10番手に終わり、両セッションの合算タイム順で決勝は6番グリッドからスタートすることになった。

 その23号車はクインタレッリがスタートスティントを担当したが、1周目に接触があり8番手までダウン。しかしピットストップでライバルからポジションを奪う“アンダーカット”を成功させて、2台の前に立った。コース上では姉妹チームNDDP NISMOの3号車Niterra MOTUL Zを交わし、最終的に5位でフィニッシュした。

「スタートの不運で順位が下がっちゃったので、どう挽回しようか考えた時、コース上で抜くよりもピット戦略で前に出たいなと思っていましたが、それが機能しました」と振り返るのは千代。82周中の31周を消化してのピットインだったが、前を行く僚友3号車Niterraが先に入ったこともあり、希望よりはやや遅めのピットインになってしまっていたようだ。

 それでも、ピット後は安定したペースで周回し、遅れてピットに入ったライバルをアンダーカットした23号車。千代も「戦える手応えがあった」と振り返る。

「後半はペースも安定していました。ブリヂストンタイヤで50周近いラップを走ったことはありませんでしたが、感じたままにプッシュしました」

「38号車(KeePer CERUMO GR Supra)も捉えたかったですが、相手も上手に走るので突破口を見出せませんでした。ただクルマの戦闘力としてはしっかり戦える手応えがあったレースでした。僕らとしては1周でも多く、このパッケージのデータを持ち帰ることが重要だったと思うので、開幕戦としてはポイントを持ち帰れて良かったです」

 また23号車にとっては、レースペースが良かっただけにQ2でタイムが伸ばせなかった予選がもったいなかったとも言える。予選では路面コンディションが変化するQ1からQ2に向けてセットアップの微調整をするのが基本だが、クインタレッリはQ2ではかなりグリップが低下していたと話していた。

 千代は次戦に向けて、Q1からQ2へのアジャストの精度を上げていきたいと語った。

「ロニーさんが走るQ2に向けてチームとしてしっかりアジャストできなかったのが反省点です」

「予選では、やはりそこをうまくやっているチームが前に行っているのだと思います。例え一発のタイムが出なくても、ふたりのタイムが安定しているチームが上にいます。Q1からQ2へのアジャストをチームとしてもっと勉強して、精度を上げていかないといけないなと思います」