Kentaro Sugiyama

[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日発表した企業物価指数(CGPI)速報によると、3月の国内企業物価指数は120.7となり、前年比0.8%上昇した。指数は、比較可能な1980年以降で最高水準だった。飲食料品や輸送用機器などで、コスト上昇分を価格転嫁する動きが出た。前年比プラスは37カ月連続で、伸び率は2月の0.7%から小幅に拡大した。前月比では0.2%上昇だった。

前年比で最も押し上げに寄与したのは飲食料品で、3.7%上昇。原材料や包装資材、エネルギーなどのコスト上昇を転嫁する動きがみられた。輸送用機器は自動車部品、完成車ともに、鋼板や部品、物流費などのコスト上昇分を転嫁する動きで前年比プラスとなった。

一方、電力・都市ガス・水道は前年比19.1%下落した。燃料費の下落を反映し、前年比で下押し方向に影響した。鉄鋼は鉄鉱石や燃料費下落の影響、木材・木製品は国際市況下落の影響や国内需要の弱さもあって前年比マイナスとなった。

全515品目中、前年比で上昇したのは399品目、下落は99品目。日銀の担当者は、海外経済の影響も含めた国際商品市況の動向、商品価格や為替変動を受けた輸入物価の動向、コスト変動分の価格反映も含めた企業の価格設定行動などを引き続き注視していくと述べた。

*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。