訪れるべき場所がまだまだ尽きない京都の街の魅力を紹介する特集「」。今年も、ひとり、京都を歩くなら話を聞いておきたい人がいます。創刊から10年以上にわたり本誌連載「&Kyoto」を担当し、「京都さんぽ部」部長として街の旬なエリアやスポットを紹介してきた、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさんです。本誌の企画「ひとりで過ごす京都、10のこと」のテーマに合わせて、私的にすすめたいスポットを教えてくれました。

店内ではスタンディングでクラフトビールを飲むことも可能。音を満喫したい。

京都の山の音に浸る『山と道 京都』。

 神奈川・鎌倉を拠点に、オリジナルのウェアと山道具を展開する『山と道 京都』。店に入って驚いたのは、空間のあちこちから聞こえてくる川のせせらぎや鳥の声。音楽が流れるか無音しか選択肢のない店舗に、第3の選択肢として山を感じられる空間を音で表現してもらおうと、サウンドエンジニアの東岳志さんに依頼したもの。「目に見えないからこそ、深く広がる自然を想像できるのではないかと」とオーナーの夏目彰さん。かくして誕生したのは京都の北山や鴨川付近で録った音をベースにしたサウンドインスタレーション。野山の中にいるような音にたちまち心奪われる体験だ。

京都市下京区早尾町312 ‒1 なし 11時〜18時 火〜木休


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram()で発信している。

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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