訪れるべき場所がまだまだ尽きない京都の街の魅力を紹介する特集「」。今年も、ひとり、京都を歩くなら話を聞いておきたい人がいます。創刊から10年以上にわたり本誌連載「&Kyoto」を担当し、「京都さんぽ部」部長として街の旬なエリアやスポットを紹介してきた、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさんです。本誌の企画「ひとりで過ごす京都、10のこと」のテーマに合わせて、私的にすすめたいスポットを教えてくれました。

板の間も含め、すべて靴で過ごす空間。リトルプレスなども選書している。

路地奥の『すずき』で本と喫茶の世界に浸る。

入り口に掲げられた、ほんの小さな看板だけが目印のブックカフェ『すずき』。苗字のような屋号は、以前営んでいたブックカフェを閉め、移転にあたって選んだもの。「初心を大切にと説いた禅僧・鈴木俊隆さんから名付けました。店を始めた頃の気持ちを大切にしたくて。誰かの家を訪ねるように、気軽に来ていただけたら」と店主。元は機織りを営んでいたという天井の高い長屋は、しんと静けさが漂う。この場所に似合うようにと選んだ小説や詩集、写真集などが並ぶ。ゆるりと過ごし、気に入れば連れて帰ることも。心の赴くままに本と出合える場所だ。

京都市上京区挽木町540 なし 9時〜18時(ランチ11時〜14時) 月火休 平日9時〜11時はモーニングセットも。


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram()で発信している。

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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