朝から晩まで楽しみの尽きない京都さんぽ。往々にしてランチとディナーは事前に考えていくものの、合間の休憩は行き当たりばったりになりがち。見渡せば何かしら入れそうな店の見つかる街中や名所の近くは混雑必至だし、住宅街なら何も見つからずさまようことになる。あてもなく歩くのも楽しいけれど、せっかくならひとやすみできる場所が頭に入っていると安心。本誌連載「&Kyoto」の「京都さんぽ部」部長で、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさんが、モーニング、昼の食休み、おやつ時、夕方の0軒目、夜喫茶の5つのシーンでひとやすみアドレスを教えてくれました。

京都御苑近く『ハイブ コーヒー』のブレックファーストプレート
朝ご飯が悩ましい祇園エリアなら『やまもと喫茶』で朝カレーセットを。

朝、モーニングでひとやすみ。

 京都での旅の一日は、朝の時間を楽しんでこそ素晴らしいものになる。というわけで朝食処はひとつでも多く知っておいて損はない。喫茶文化が街に受け継がれている京都では、モーニングの選択肢も豊富。起きぬけの散歩を終えて立ち寄りたい場所を探す、あるいは朝食を目当てに散歩コースを決めてもいい。

 京都御苑に行くなら2022年に登場した『ハイブ コーヒー』へ。自家焙煎コーヒーと、トーストやベーコン、目玉焼きのすべてを鉄板で仕上げるブレックファストが待っている。下鴨神社に参拝するなら『カフェ・ヴェルディ 下鴨本店』、知恩院や祇園なら『やまもと喫茶』は外せない。明治37(1904)年に建てられたレンガ造りのモダン建築、京都府庁旧本館には昨年夏に〈前田珈琲〉が手がける『サロン・ド・1904』が入り、休憩スポットができたことがうれしい。

 とびきり厚いたまごサンドで知られる『喫茶マドラグ』でも朝食が始まったのも朗報。強制的に起きるための仕掛け、予約ができるのもいい。

 ほかに『タルカ1』『コーヒーレストラン ドルフ』など魅力ある店がありすぎて悩ましい京都である。

ハイブ コーヒー
ブレックファーストプレート1200円は終日注文可能。コーヒーはシングルが数種類。京都市上京区築山北半町2 28 075‒432‒7308 7時〜17時(フード16時LO) 火休ほか不定休

サロン・ド・1904
モーニング600円。京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町 京都府庁旧本館1階 075‒414‒1444 8時〜17時(モーニング〜11時、16時30分LO) 土日祝休(3月から日休)

やまもと喫茶
朝カレーセット950円。ほかに焼たまごサンドセット900円なども。京都市東山区石橋町307‒2 075‒531‒0109 7時〜17時(モーニング〜11時、16時30分LO) 火休ほか不定休

喫茶マドラグ
モーニングは全3種類、700〜17 00円。京都市中京区押小路通西洞院東入ル北側 075‒744‒0067 8時〜18時(フード17時、ドリンク17時30分LO) 無休 モーニングは予約可能。

カフェ・ヴェルディ 下鴨本店
モーニング700円〜。京都市左京区下鴨芝本町49‒25 075‒706‒8 809 8時30分〜18時(モーニング〜11時、日祝8時〜、17時30分LO) 月、第3火休(祝日の場合、翌日休)

タルカ1
火〜木はサウスインディアンコーヒーのスタンド。金土は焼きたてドーサ950円〜を。京都市中京区左京町138‒1階 075‒212‒8872 8時〜10時12時〜16時(15時30分LO) 日月休

コーヒーレストラン ドルフ
宝ヶ池近くでクラシックな雰囲気のなか、スコーン+サラダのモーニングセット750円を。京都市左京区岩倉東五田町4075‒722‒2367 8時〜21時第1・3水休 モーニングは11時まで。


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram()で発信している。

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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