アンドレ・ウォードのトレーナーが持論

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の試合開催地について、米トレーナーが持論を展開している。6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ち。3団体統一王者を育てた名トレーナーは「米国に来る必要はない」などとしている。

 井上は3度のダウンを奪う逆転TKOで改めて強さを誇示した。4万3000人を熱狂させた一方、注目度が高く米国開催を望む海外ファンも多い。そんな中、元世界ライトヘビー級3団体統一王者で“神の子”の異名を取ったアンドレ・ウォードを育てた名トレーナーのバージル・ハンター氏は、米専門メディア「ファイトハイプ」公式YouTubeチャンネルで開催地論争に関する持論を展開した。

「彼は国が支えてくれるレアなボクサーの一人だ。何のために他の国が必要なんだ(笑)。5万人もの観客を東京Dに集められるなら米国なんて行く必要はない、こっち(日本)に来いってね」

 さらに「私がもし彼のマネジメントチームにいたら、米国に来させる唯一の方法は誘惑させることだけ」と前置きしつつ、「それはお金がかかるだろう。でも、君が戦うたびにサポートしてくれる国がついているんだったら……」と日本国内のバックアップが大きいことに言及。「(米国に来る)必要はない」と断言した。

ハンター氏「それが彼の姿勢だし、敬意を払う」

「俺がチャンピオンだ。証明してきた……こっち(日本)に来いって。(米国に)行かなくていい、来させるんだ。それが彼の姿勢だし、敬意を払う」と挑戦者を日本に呼ぶ形を推奨した。

 井上を巡っては、米ボクシング界から「米国に来て戦え」という論調があった。しかし、井上は「今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」とSNSに投稿していた。

 7日の一夜明け会見後に取材に応じた陣営の大橋秀行会長によると、34年ぶりの東京D興行はファイトマネー以外も含めると、総額10億円以上を得られると明かしていた。

(THE ANSWER編集部)