カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで2月29日、WEC世界耐久選手権開幕戦『カタール1812km』のフリープラクティス1回目(FP1)が行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963(マット・キャンベル/ミカエル・クリステンセン/フレデリック・マコウィッキ組)が最速タイムをマークした。

 26〜27日に同地で実施された公式プレシーズンテスト“プロローグ”から一日あいだを挟み、シリーズは2024年開幕ラウンドのレースウイークに突入。29日(木)は90分間のプラクティスが2回予定されている。その1回目が現地正午過ぎ、12時10分から行われた。

 2度の短い赤旗中断を挟みつつ最後はラスト4分となったところでみたびのレッドフラッグ提示で早期終了となったFP1では、キャンベル駆る5号車ポルシェが最速に。タイムは1分42秒486だった。5号車ポルシェは、これで公式テスト“プロローグ”の2日目から3セッション連続で最速のクルマとなっている。

 ポルシェ・ペンスキーは3番手にも姉妹車6号車を並べ、両車の間にはル・マン王者51号車フェラーリ499Pが食い込んだ。AFコルセの1台はジェームス・カラドが1分42秒532というタイムをマーク。トップとは0.046秒差だった。

 4番手にはプロローグから好調の2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)が続き、ここまでが1分42秒台。5番手となった99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)以降は、総合19番手となった11号車イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-C(イソッタ・フラスキーニ)を除く計13台が1分43秒台のタイムを記録している。

 その中でシリーズ王者のTOYOTA GAZOO Racingはというと、小林可夢偉が自己ベストの1分43秒202を記録した7号車トヨタGR010ハイブリッドが7番手に。平川亮組の8号車は“新顔組”の最上位につけた83号車フェラーリ499P(AFコルセ)に次ぐ12番手となった。

 この『カタール1812km』がデビュー戦となる新車勢では、14番手につけた20号車BMW MハイブリッドV8を先頭に、ミック・シューマッハーらがドライブする36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)が15番手で続き、直後の16番手に1台体制での参戦となるランボルギーニ・アイアン・リンクスの63号車ランボルギーニSC63が入った。17番手はBMWの15号車、18番手に35号車アルピーヌ、そしてイソッタ・フラスキーニがクラス最後尾というオーダーになっている。

 今季から新カテゴリーとしてスタートしているLMGT3クラスでは、佐藤万璃音のチームメイトであるニコ・ピノのドライブで1分55秒824をマークした95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)が首位に立ち、55号車と54号車のフェラーリ296 GT3ペア(ビスタAFコルセ)がクラス2番手と同3番手に続いた。トップのマクラーレンと55号車フェラーリのタイム差は0.159秒だ。

 クラス4番手は27号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)で、続く5番手にも同じくアストンマーティン陣営のDステーション・レーシング777号車バンテージGT3が入った。英国車ペアの後方にはBMW勢が並び、アウグスト・ファーフスが1分56秒326を記録した31号車BMW M4 GT3(チームWRT)が6番手、姉妹車でバレンティーノ・ロッシを擁する46号車BMWが7番に。8番手はユナイテッドのもう一台のマクラーレン59号車だ。

 このクラスに参戦している日本勢の結果は、小泉洋史組82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)がクラス10番手。木村武史も乗り込む87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)はクラス17番手となっている。