3月9日(土)、三重県の鈴鹿サーキットで2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕。晴天の下、10時10分から90分間行われたフリープラクティスでは、野尻智紀(TEAM MUGEN)がトップタイムを記録した。

■ルーキー勢最上位はテオ・プルシェール

 2024年のスーパーフォーミュラは、F1日本グランプリが史上初の春開催となった影響などにより、3月2週目という早い時期に、鈴鹿での開幕を迎えることとなった。オフの間、チームは12月と2月の2回、鈴鹿で合同テストを実施。2月のテストからは2週間という短いインターバルで、開幕を迎えることとなった。

 今季は、前年王者の宮田莉朋、同ランキング2位のリアム・ローソンが不在とはなるものの、チームを移籍するドライバーが多いことや、最年少かつ日本人女性として初参戦するJuju(TGM Grand Prix)、そして共通ダンパーが導入されるなど、多くの話題を集めるシーズンとなっている。

 気温9度/路面温度16度、強い風が吹くコンディションのなか、当初予定より5分遅れとなる10時10分にセッションはスタートした。

 序盤、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分36秒778というターゲットタイムを記録。2月の公式テストで記録された全体ベスト、1分36秒3へと早速迫っていく。野尻、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も序盤のうちに1分36秒台に入れ、山本に続いた。

 開始25分を前にして山下健太(KONDO RACING)が最後にコースインし、これで全21台が計測を行っている。

 今週に入って参戦が決まった松下信治(TGM Grand Prix)が日立Astemoシケインでスピンする場面はあったものの、セッション中盤は概ね順調に進行。各車はピットインを繰り返しながら、周回を重ねていった。

 残り20分を前にアタックモードに入るドライバーも見られるなか、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分36秒598と全体の最速タイムを更新、タイミングモニター最上段に立つ。

 さらにルーキーの2023年FIA F2王者、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分36秒902へと自己ベストタイムを縮め、トヨタエンジン勢最上位の4番手に浮上してくる。

 セッション残り10分を切り、各車は予選シミュレーションへ向かう。まずはトラフィックが生じる前の早いタイミングでアタックした野尻がセクター1で全体ベストを記録しながら、1分36秒415と最速タイムを叩き出すと、続いて10番手につけていた山下が自己ベストセクターを塗り替えながら、3番手にジャンプアップ。しかしセクター4で全体ベストを刻んだ山本がすぐにタイムを縮め3番手を奪い返す。

 チェッカーが振られるなか、ここから多くのドライバーが自己ベストを更新。ルーキーの岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が8番手に食い込むと、昨年最終戦のウイナー、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が岩佐を上回って8番手へ。

 そして松下も最終ラップで自己ベストを更新し、6番手へと食い込んできた。この最後のアタックラッシュの時間帯、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)はスプーンカーブでコースオフを喫しているが、すぐにコースへと戻っている。

 結局、ひとり早いタイミングで最終アタックを行ったTEAM MUGEN野尻のタイムを上回るドライバーはなく、2021/2022王者の野尻がこのセッション最速に。2番手に佐藤、3番手に山本とPONOS NAKAJIMA RACINGの2台が続いた。

 4番手以下は山下、プルシェール、松下、牧野、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)と続くトップ8のオーダーとなった。

 ルーキー勢ではプルシェールの5番手が最上位。岩佐が10番手、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が15番手、Jujuは首位から4.335秒おくれの最下位(21番手)となった。

『NGK SPARK PLUGS SUZUKA 2&4 RACE』として行われている本戦は、このあとフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権のレース1、MFJ全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの予選に続き、スーパーフォーミュラの公式予選は15時05分にQ1・Aグループのセッションが開始される予定だ。