レッドブルとRBのリザーブドライバーであるリアム・ローソンは、昨年アルファタウリ(現在のビザ・キャッシュアップRB F1チーム)で5戦にわたり見事に代役を務めたものの、F1のグリッドに復帰できるのか、時期はいつなのかといったことが明確になっていないと述べている。

 21歳のローソンは昨シーズン、オランダGPのフリー走行でのクラッシュによる負傷で出場できなくなったダニエル・リカルドの代役を務めることになった。最低限の準備と限られた性能のマシンを託されたローソンは、立派に仕事をこなした。シンガポールGPでは予選でトップ10に入り、レースでは9位に入賞しチャンピオンシップポイントを2ポイント獲得した。

 この素晴らしい活躍によって、ローソンは2024年にフルタイムのシートを獲得することになると多くの人が期待した。しかし、チームはリカルドと角田裕毅を残すことを選択し、ローソンはふたたびリザーブドライバーとなった。レッドブルは2025年にローソンをフルタイムのシートに昇格させることをほのめかしているが、そのような筋書きがうまくいく保証はない。この不透明な状況から、ローソンは明らかに才能があるにもかかわらず、不確実なF1の将来に直面している。

「正直なところ、僕の将来には決まったスケジュールがない」とローソンは『Speedcafe』に語った。

「もちろん自分の将来に決まっていることは何もない」

「基本的に、僕にとって大事なのは準備を整えておくことで、うまくいけばチャンスが訪れるだろう」

 週末にレッドブル・レーシングに同行して待機する一方で、ローソンは残念ながらF1のルーキーとしての資格を失ったため、レッドブルとRBのどちらからもFP1に参加することができない。F1では、グランプリでの出走が3回未満のドライバーをルーキーと定義し、各チームがルーキーに、1シーズンあたり1回のFP1において、最新スペックのマシンでの走行機会を与えることが義務付けられている。

 ローソンは昨年の5レースでルーキーとしての地位を失った。つまりFP1セッションで、競争力のあるマシンを使用して貴重な練習時間を稼ぐことができないということだ。

「まだルーキーのような気分だ」とローソンは認めた。

「基本的には主にシミュレーター作業をしており、その後はリザーブドライバーとしてチームとともにすべてのレースに向かう」

 将来が不透明なものの、F1は依然としてローソンの最優先事項だ。特に昨年の経験から、彼がレギュラードライバーになる価値があることは認められたのだ。

「明らかに自分に自信が持てるようになる。とにかく、このレベルのドライバーはみな、F1に参戦するための十分な自信を持っている。近づくためだけにもそれが必要だ」

「でも違っているのは、僕はF1でドライブするのがどういうことか、いつも想像していることだ。今では、それがどのようなものか分かっている。それは違う視点だ。僕はほんの少しだけ味わったことがあるので、違う見方をする。そのせいでよりもどかしい気分になるのは間違いない」