解雇も近いと噂されるRBのダニエル・リカルドについて、かつてチームでクビを経験したニック・デ・フリーズは、F1では「みんなすぐに結論を出したがる」と語った。

 2024年シーズンは3戦を終えて、今週末に第4戦日本GPを迎える。8度のグランプリウィナーであるリカルドは、その実績から高いパフォーマンスを期待されていたが、予選では3戦を通じてF1参戦4年目の角田裕毅に先行を許した。バーレーンGP決勝ではチームオーダーもありリカルドは角田の前でフィニッシュしたものの、第2戦サウジアラビアGP、第3戦オーストラリアGPの決勝ではいずれも負け越した。

 さらにオーストラリアGPで角田が7位入賞を果たしチームに初ポイントをもたらしたことから、リカルドには厳しい視線が向けられている。

 こうした状況から、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、日本GPと続くマイアミGPで実力を証明できなければリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンにシートを明け渡す可能性があるとリカルドに伝えたという報道もある。

 リカルドはその噂を否定しており、報道の真偽も定かではないが、いずれにせよ改善が必要なことは確かだと言える。

 そしてリカルドにシートを奪われる形で2023年シーズン途中にF1を離れることとなったデ・フリーズは、一歩離れたところからF1を観ていると強調する一方で、「みんなすぐに決めつけてしまう」とリカルドに同情した。

 デ・フリーズはアレクサンダー・アルボンの代役として突然のF1デビューとなった2022年のイタリアGPでいきないり入賞。その走りが評価され、翌年にアルファタウリ(現RB)からF1フル参戦を果たすも、パフォーマンスでレッドブル上層部を納得させることができず、たった10戦でF1シートから降ろされてしまった。

 F1を離れたデ・フリーズは現在、世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスにトヨタから、フォーミュラEにマヒンドラから参戦している。

「今はひとりのファンみたいな感覚でF1を観ているんだ」

 東京E-Prixの際にデ・フリーズはそう語り、次のように続けた。

「みんなすぐに意見や考えを決めてしまうだろう? ユウキはチームでとても良い仕事をしていて、彼は今年で4年目。今ではチームに長く在籍している」

「それを抜きにしても、僕は特に何の思いも感じていないし持ってもいない。それが人生で、レースだ。良いときもあれば悪いときもある」

「スポットライトがあたるF1では、みんながとても早くに決めつけてしまう」

 24戦のうちたった3戦でそうしたプレッシャーに晒される状況は、ドライバーにとって厳し過ぎるのではないか? とデ・フリーズに尋ねると彼は次のように答えた。

「僕は僕だし、分からないよ。僕は深く関わっている訳でも、真剣に(F1を)追いかけている訳でもない。ひとりのファンとしてF1を見ているだけなんだ」

 そして角田は手強いライバルだと思うか? との質問についてデ・フリーズは「もちろんだ。ユウキはとても才能があると思うし、とても速いよ」と答えた。